ずかん
電柱図鑑
全8カテゴリ・32項目を公開中。名前、見分け方、安全メモを、公開情報の範囲で少しずつ増やしています。

部位マップ
電柱まるごと部位マップ
まっすぐ続く途中の柱と、電線の端で引き留める柱(引留柱)の2本を例に、主な部位の位置関係をまとめました。
まっすぐ続く途中の柱
電線の端・曲がり角の柱(引留柱)

でんチュンより:今日の電柱
電柱の英語
電柱って、英語でなんて言うか知ってる? 和英辞典を引くと、代表的な訳語として utility pole(ユーティリティ・ポール)が挙げられているよ。電気や通信などの設備をまとめて支える“公共の柱”というニュアンスの言い方なんだ。そして面白いのは、国によって呼び方が変わること。英語の学習辞典では、telephone pole(テレフォン・ポール)は北米(アメリカなど)の英語、telegraph pole(テレグラフ・ポール)はイギリス英語と紹介されているんだ。telegraph は「電信・電報」のこと。日本語でも電柱を「電信柱」と呼ぶことがあるけれど、英語の呼び名にも通信の歴史が残っているなんて、ちょっと面白いよね。辞書にはほかに electric pole や power pole といった言い方も載っているよ。じゃあ、実際に英語で話したり書いたりするときは、どれを使えばいいんだろう? まずは、和英辞典で代表的な訳語として挙げられている utility pole を使うのが手堅い選び方だよ。そのうえで、アメリカの人と話すなら telephone pole、イギリスの人となら telegraph pole——と相手に合わせて言い換えられたら、かなりの電柱通だね。ちなみに、日本語の「電柱」と「電信柱」の呼び分けについては「電力柱・電信柱・共用柱」のページで詳しく紹介しているよ。海外の電柱にも、きっとでんチュンの仲間がとまっているはず。呼び名は違っても、止まり木は止まり木なんだ。
カテゴリ
カテゴリ
設備の種類ごとに入口を分けています。工事カテゴリは観察目線のみです。
11件
電柱の種類
コンクリート柱や鋼管柱など、街を支える柱そのものの違いを見ます。
2件
変圧器
電圧を使いやすい形へ変える箱型設備を、外から見える特徴で整理します。
1件
開閉器
公開情報で説明できる範囲に限り、電路を区分する機器の見た目を扱います。
6件
電線
空中に張られた電線やケーブルを、役割と安全距離の観点で見ます。
2件
がいし
電線を支えつつ電気を通しにくくする、白や茶色の部品に注目します。
4件
柱上機器
電柱の上に取り付けられた、箱や円筒形の付属設備を広く扱います。
2件
工事・作業の見え方
街で見かける工事風景を、作業手順ではなく観察目線で説明します。
4件
安全知識
切れた電線、台風、凧やドローンなど、一般の人が知るべき安全知識です。
一覧
見出し語一覧
全カテゴリの32項目を一覧で見られます。
電柱の種類
コンクリート柱
こんくりーとちゅう
街でいちばん見かける、灰色の丸い柱。これがコンクリート柱だよ。正しくは鉄筋コンクリート柱といって、中に鉄筋が入っていて丈夫なんだ。電線や変圧器、通信線、街路灯まで、いろんな設備をまとめて背負ってくれている街の働き者。でんチュンのお気に入りの止まり木でもあるよ。
電柱の種類
腕金
うでがね
電柱の上のほうで、横にすっと伸びている金属の棒。あれが腕金だよ。上にがいしを取り付けて、電線を柱から離しながら支える“電柱の腕”なんだ。メーカーの公開資料では配電用アームとも呼ばれているよ。電線の本数や引っぱられる向きに合わせて、付き方や本数は柱ごとにいろいろ。見比べると電柱の個性が見えてくるんだ。でんチュンのお気に入りの止まり木ポイントでもあるよ。
電柱の種類
支線
しせん
電柱から地面へ、斜めにぴんと張られたワイヤーを見たことあるかな。あれが支線だよ。電線は張られているだけで、柱を強い力で引っぱっている。だから電線の端(引き留められる場所)や曲がり角の柱は、放っておくと引っぱられる側へ傾いてしまうんだ。そこで反対側から支線で引っぱり返して、力のバランスを取っている。電力会社の公開資料では、電柱がたおれないようにするための設備として、地面とつなぐ支線のほかに、柱で支える「支柱」や、電柱同士をつなぐ「水平支線」も紹介されているよ。地面に近い部分には、目立つ黄色のカバー(支線ガード)が巻かれていることが多いんだ。電線を引き留める柱には耐張がいしが付いていることが多いから、「耐張がいし+支線」のセットを見つけたら、そこは電線に強く引っぱられている柱だと分かるよ。ところで、地面の近くだけカバーが付いているのはなぜだろう? 支線ガードは、歩く人や自転車が支線に気づきやすいように目立つ色で覆う防護カバーとして販売されているんだ。ワイヤーそのままだと細くて見えにくいから、うっかりぶつからないための目印というわけだね。似た黄色つながりでは、工事のあいだだけ電線にかぶせられる「防護管」という設備もあるけれど、あちらは電線用の一時的なカバーで、支線ガードはずっと付いている常設のカバー。くわしい違いは防護管のページで紹介しているよ。支線は電気を送るための線ではないけれど、電柱を支える大事な設備。ぶら下がったり、物をくくり付けたりせず、そっと見るだけにしてね。
電柱の種類
電柱の高さ・太さ・間隔
でんちゅうのたかさ・ふとさ・かんかく
電柱って、どれも同じ大きさに見えて、じつはいろいろなサイズがあるんだ。メーカーの公開情報では、1本もののコンクリートポールは全長6〜17mほどのラインナップで、上へ行くほど細くなる形。てっぺんの直径(末口径)は12〜22cmくらいなんだって。街の配電用では、全長約12mの柱が公開資料の例に使われているよ。そして意外と知られていないのが地面の下。倒れないように全長のおよそ6分の1を埋めるのが標準的とされていて、全長12mの柱なら約2mが土の中なんだ。柱に「12-19-5.0」のような数字が書かれていたら、それはサイズ表記で、最初の数字が全長(m)を表しているよ。電柱同士の間隔は基本およそ30mと紹介されているけれど、これも場所によっていろいろ。ちなみに、道路の上を通る電線には、低くなりすぎないように法令で高さの決まりがあるんだ。でんチュンのおすすめは、次の電柱まで何歩あるか数えてみること。街の距離の物差しになるよ。
電柱の種類
電柱の歴史
でんちゅうのれきし
電柱のご先祖さまは、木の柱なんだ。電気や通信が広まりはじめたころは木柱が普通で、そのあと丈夫で燃えにくいコンクリート柱や鋼管柱に少しずつ置きかわっていった。今でも場所によっては、木の電柱を見かけることがあるよ。そして北海道の函館には、現存する日本最古のコンクリート電柱が立っている。大正12年(1923年)10月、当時の函館水電(今の北海道電力)が建てたもので、火事の多い街だったことから、燃えないコンクリートの柱がつくられたと伝わっているんだ。断面が四角い角錐形で、底辺47cm・上辺19.5cm四方、高さは約10m。丸い柱が当たり前の今から見ると、かなり個性的な姿だよね。しかも100年を超えた今も現役で電線を支えているというから驚きなんだ。ちなみに最近は、電線を地下に埋めて電柱そのものをなくす「無電柱化」も進められているよ。いつもの電柱の風景も、じつは少しずつ歴史が動いている途中なのかもしれないね。
電柱の種類
電柱の英語
でんちゅうのえいご
電柱って、英語でなんて言うか知ってる? 和英辞典を引くと、代表的な訳語として utility pole(ユーティリティ・ポール)が挙げられているよ。電気や通信などの設備をまとめて支える“公共の柱”というニュアンスの言い方なんだ。そして面白いのは、国によって呼び方が変わること。英語の学習辞典では、telephone pole(テレフォン・ポール)は北米(アメリカなど)の英語、telegraph pole(テレグラフ・ポール)はイギリス英語と紹介されているんだ。telegraph は「電信・電報」のこと。日本語でも電柱を「電信柱」と呼ぶことがあるけれど、英語の呼び名にも通信の歴史が残っているなんて、ちょっと面白いよね。辞書にはほかに electric pole や power pole といった言い方も載っているよ。じゃあ、実際に英語で話したり書いたりするときは、どれを使えばいいんだろう? まずは、和英辞典で代表的な訳語として挙げられている utility pole を使うのが手堅い選び方だよ。そのうえで、アメリカの人と話すなら telephone pole、イギリスの人となら telegraph pole——と相手に合わせて言い換えられたら、かなりの電柱通だね。ちなみに、日本語の「電柱」と「電信柱」の呼び分けについては「電力柱・電信柱・共用柱」のページで詳しく紹介しているよ。海外の電柱にも、きっとでんチュンの仲間がとまっているはず。呼び名は違っても、止まり木は止まり木なんだ。
電柱の種類
電柱番号札
でんちゅうばんごうふだ
電柱の柱には、文字と数字が書かれた小さな札が付いているよ。これが電柱番号札。電柱1本1本に付けられた管理用の番号で、いわば“電柱の住所”なんだ。書き方は電力会社や通信会社によって違っていて、1本の柱に2枚並んでいることもある。そして大事なのがここから。切れた電線など危険なものを見つけて連絡するとき、近くの柱の番号を伝えると、場所がとても正確に伝わるんだ。東京電力パワーグリッドの公開ページでは、番号はその電柱固有のもので、同じものはひとつもないと紹介されている。だから番号さえ伝われば、管理している会社には柱の場所が正確にわかるんだ。住所がすぐに分からない道ばたでも、近くの電柱の札が心強い目印になるというわけだね。ふだんの散歩では、札に書かれた路線の名前や数字を読み比べてみるのも面白いよ。札は柱の持ち主を見分ける手がかりにもなって、その見分け方は「電力柱・電信柱・共用柱」のページで詳しく紹介しているんだ。でんチュンも自分の止まり木の番号、ちゃんと覚えてるよ。
電柱の種類
電力柱・電信柱・共用柱
でんりょくちゅう・でんしんちゅう・きょうようちゅう
ふだん「電柱」とひとくくりに呼ばれている柱、じつは持ち主と役目で呼び名が変わるんだ。東京電力パワーグリッドの公開ページでは、家庭に電気を届ける電線が架かり電力会社が所有する柱を電力柱、電話やケーブルテレビ、インターネット回線などの通信線を運び通信会社が所有する柱を電信柱、両方の線が架かる柱を共用柱と紹介しているよ。ここでひとつ大事なポイント。共用柱でも、柱そのものの持ち主はどちらか一方の会社なんだ。たとえば電力会社の柱に通信の線が乗せてもらっている、という形だね。電柱がまとめて「電信柱」と呼ばれがちなのは、歴史的に電信柱のほうが古いからだと説明されているんだ。じゃあ、目の前の柱がどれかはどうやって見分ける? 手がかりは柱に付いている電柱番号札だよ。番号札が1つならその札の会社が所有者。2枚並んでいる場合は、札の並び方で所有者がわかると紹介されているけれど、その並び方のルールは地域や会社によって違いがあるんだ。さらに同じ資料では、線の高さもおおまかに決まっていて、上の段が電力会社の線、下の段がNTTの線という順番なんだって。番号札と線の高さ——この2つをチェックすれば、キミも電柱の見分け名人だよ。実際に散歩で試すときの手順はこう。①柱に付いている電柱番号札を探す、②札が1枚ならその札の会社の柱、2枚並んでいたら電力と通信の共用柱、③上の段の電気の線と下の段の通信線を見比べる。この3ステップだけで、いつもの通学路や散歩道が、ちょっとした観察フィールドに変わるんだ。でんチュンはどの柱でも分けへだてなく止まるけどね。
電柱の種類
電柱の種類
でんちゅうのしゅるい
ひとくちに電柱といっても、じつは見分ける軸が2つあるんだ。1つめは“柱そのものの素材”。関西電力送配電の公開ページでは、街でよく見かける電柱はコンクリート柱だと紹介されていて、ほかに木材を使った木柱、せまくて資材を運ぶのが難しい場所に建てる組立鋼管柱(くみたてこうかんちゅう)があると説明されているよ。建てる場所がどんなところかを考えて、場所ごとに最適なものが使われているんだって。昔は木の柱が普通だったと伝わっていて、その移り変わりは「電柱の歴史」のページで話しているよ。2つめの軸は“柱に何が乗っているか”。電気の線が架かる電力柱、電話などの通信線を運ぶ電信柱、両方が乗る共用柱という呼び分けがあるんだ。こちらの見分け方は「電力柱・電信柱・共用柱」のページで詳しく紹介しているよ。素材で見るか、乗っているもので見るか——2つの軸を持って見上げると、同じに見えていた電柱がぐっと個性的に見えてくる。観察の順番は、まず柱を下から上へ見て素材をチェック、次に上に架かる線が電気か通信かをチェック、最後に柱の番号札で答え合わせ——という流れがおすすめだよ。ちなみに国土交通省の公開資料では、全国には約3,600万本の電柱が存在し、毎年数万本単位で増え続けている状況と紹介されているんだ。日本中どの道にも観察のチャンスがあるなんて、電柱の世界はなかなか奥が深いでしょ。でんチュンはどの種類の柱でも、腕金のあたりが特等席なんだ。
電柱の種類
鋼管柱
こうかんちゅう
金属の管でできた、すらっと細めの柱が鋼管柱だよ。コンクリート柱より軽くて細く見えるのが特徴で、道路照明や狭い場所、景観に配慮したい場所などで見かけることがあるんだ。表面がサビ止めで塗装されていたり、根元にカバーが付いていたりするよ。
電柱の種類
支柱
しちゅう
電柱にもう1本の柱が斜めに寄りかかっている——そんな光景を見たことないかな。あれが支柱だよ。役目は支線と同じで、電線に引っぱられる電柱がたおれないように、反対側から力のバランスを取ること。支線がワイヤーで地面と引っぱり合うのに対して、支柱は柱そのもので斜めに突っ張って支えるんだ。NTT東日本の公開資料でも「電柱を斜めに支えている柱」と紹介されているよ。道路や出入り口が近いなど、地面へワイヤーを張るスペースが取りにくい場所で選ばれることがある方式なんだ。ちなみに電力会社の公開資料では、地面とつなぐ支線や支柱のほかに、電柱と電柱をつなぐ「水平支線」という仲間も紹介されている。支線・支柱・水平支線——場所に合わせて支え方を変えているなんて、電柱もなかなかの工夫家だよね。でんチュンは斜めの支柱、すべり台みたいでちょっと好き。
変圧器
柱上変圧器
ちゅうじょうへんあつき
電柱の上のほうにある、灰色の丸い缶みたいな設備。これが柱上変圧器、みんなが「トランス」と呼ぶやつだよ。電柱を通る配電線の電気は6,600ボルトもあって、そのままだと家の機器には強すぎる。柱上変圧器は、これを家庭やお店で使える100ボルト・200ボルトまで下げてくれる係なんだ。住宅街の電柱でいちばん目立つ大きな機器で、でんチュンもよく上から眺めてるよ。「電柱の上にある箱みたいなもの、あれ何だろう?」と思ったことがあったら、その正体はたいていこの柱上変圧器なんだ。よく見ると、付いている柱と付いていない柱があるよね。変圧器は1台で近くの数軒〜十数軒分をまとめて受け持つから、すべての柱には付いていない。だから住宅街を歩きながら「次のトランスはどの柱かな?」と探すのが、でんチュンおすすめの観察ポイントだよ。見つけたら、そこから家々へ伸びる細い引込線もたどってみて。電気事業連合会の公開ページによると、発電所を出た電気は変電所で少しずつ電圧を下げながら旅をしてきて、最後のひと下げを受け持つのがこの柱上変圧器なんだって。6,600ボルトの電気がここで100・200ボルトになり、引込線で家に届く——電気の旅のゴール直前の、大事な中継地点というわけだね。まわりに付いているカットアウトや避雷器などの小さな機器たちも、この図鑑で紹介しているから、トランスを見つけたらセットで観察してみてね。
変圧器
変圧器ブッシング
へんあつきぶっしんぐ
変圧器のフタから電線が出入りするところに付いている、白っぽい首のような部品だよ。これはブッシングといって、電線を支えながら金属の本体と電気的に隔てる、がいしの仲間なんだ。でんチュン的には、丸いトランスから“にょきっ”と生えた耳みたいで見分けやすいポイントだよ。
開閉器
柱上開閉器
ちゅうじょうかいへいき
電柱の上で、電気の通り道を区切るための機器が柱上開閉器だよ。配電線をいくつかの区間に分けておくことで、点検や、もしもの停電のときに影響を狭い範囲にとどめる役目があると公開資料で説明されている。この図鑑では操作や中身ではなく“外から見える形”だけを楽しむよ。上部に付く箱型のものは自動区分開閉器などと呼ばれることがあるね。
電線
共架・通信線
きょうが・つうしんせん
「電柱の線って、全部電気の線なの?」——じつは違うんだ。電柱に張られた線のうち、高いところを通るのが電気を送る電力線で、その下の段には電話や光ファイバー、ケーブルテレビなどの通信線が通っていることが多いよ。電気の柱に通信の線もいっしょに乗せて、1本の柱をみんなで使う仕組みは「共架」と呼ばれていて、送配電会社の公開ページでは電話線や光ファイバーケーブルなどを電柱に取り付ける利用方法として紹介されている。NTT東日本の公開資料では、上から電力会社の線、ケーブルテレビなどの線、NTTの線、というおおまかな高さの順番も紹介されているよ。電柱番号札が1本の柱に2枚並んでいるのは、こうして電力と通信で柱をいっしょに使っているからなんだ。ただし大事な注意をひとつ。どれが電力線でどれが通信線かを、見た目だけで確実に見分けるのはとても難しい。だから垂れた線や切れた線は、「通信線かも」と思っても絶対に触らないでね。
電線
配電線
はいでんせん
電柱の高い位置に張られている電線が配電線だよ。変電所から送られてきた電気を、街のあちこちへ配って回る“電気の大通り”なんだ。住宅街ではおよそ6,600ボルトが流れていて、これを柱上変圧器が家庭用まで下げてくれる。がいしや腕金(うでがね)で支えられて、電柱から電柱へと続いているよ。電気事業連合会の公開ページでは、変電所(変圧器)から各家庭へ電気を配る線が配電線と説明されているんだ。発電所でつくられた電気は、まず送電線で変電所まで運ばれてくる。そこから先の“街なかの配達”を受け持つのが配電線、という分担だね。発電所から変電所までを結ぶ送電線とのくわしい違いは、「送電線」のページで紹介しているよ。ちなみに同じ公開ページでは、6,600ボルトに変電された電気が、大きなビルや中規模の工場へはそのままの電圧で配電されることも紹介されている。家庭だけじゃなく、街の建物みんなの電気がこの線を通っているんだね。そして、この配電線を支えている電柱は「配電柱」と呼ばれることもあるよ。ふだん街で見上げる電柱は、ほとんどがこの配電用の柱なんだ。電柱をたどって配電線を目で追いかけると、柱上変圧器で電圧が下がり、引込線で家に入っていく——電気の配達ルートをまるごと観察できるよ。でんチュンはこの大通りの上をパトロールするのが日課。キミも観察するときは、垂れ下がった線や切れた線を見つけたら絶対に触らず近づかず、地域の窓口に連絡する約束を忘れないでね。
電線
接地線
せっちせん
電柱をよーく見ると、柱に沿って上から地面までまっすぐ降りていく線があることがある。あれが接地線(アース線)だよ。柱上変圧器や避雷器などの機器と大地を電気的につないで、雷などの余分な電気を地面へ安全に逃がす役目だと説明されている。家電に付いている緑のアース線と、考え方は同じ仲間なんだ。柱の低いところではカバーで覆われていることもあるよ。地味だけど、みんなを静かに守っている縁の下の力持ち。もちろん、触るのはナシだよ。
電線
引込線
ひきこみせん
電柱から家や建物へ向かって伸びる、最後のひと区間の線が引込線だよ。柱上変圧器で家庭用まで下げられた電気(100・200ボルト)を、建物の取付点まで届けている。電柱から一軒の家へ“お届け”するラストワンマイルだね。
電線
送電線
そうでんせん
遠くの山ぎわや川ぞいで、大きな鉄塔が電線を運んでいるのを見たことあるかな。あれが送電線だよ。発電所でつくられた電気を変電所まで運ぶ線で、電気事業連合会の公開ページでは「発電所−変電所間などを経由する線」と説明されている。高い電圧のまま大量の電気を運ぶから、支えるのも電柱じゃなくて背の高い鉄塔なんだ。いっぽう、変電所から街や家庭へ電気を配って回るのが配電線で、こちらを支えるのが電柱。つまり、この図鑑に出てくる電柱の電線は、ほとんどが配電線ということになるね。見分け方はシンプルで、鉄骨を組んだ大きな塔にかかっていれば送電線、街なかの1本柱にかかっていれば配電線のことが多いよ。電気事業連合会の公開ページによると、発電所を出た電気は27万5,000〜50万ボルトという超高電圧に変電されてから送り出されて、いくつもの変電所で段階的に電圧を下げながら街へ向かうんだって。家庭のコンセントの100ボルトと比べると、ケタ違いのスケールだよね。遠くに鉄塔の列を見つけたら、山や川を越えて電気を運ぶ送電線のルートを目でたどってみるのも面白いよ。ただし鉄塔や送電線は近づいたり触れたりしていい設備ではないから、離れたところから眺めて楽しんでね。でんチュンは鉄塔だと高すぎて風も強いから、やっぱり電柱の高さがいちばん落ち着くんだ。
電線
電線とケーブルの違い
でんせんとけーぶるのちがい
「電線」と「ケーブル」、なんとなく同じ意味で使ってない? じつは呼び分けのポイントがあるんだ。電気を通す芯(導体・どうたい)を、電気を通さない絶縁体(ぜつえんたい)で包んだものが絶縁電線。電線メーカーの公開ページでは、その絶縁電線をさらにシース(ケーブル全体を覆う外側の層)で保護したものをケーブルと呼んでいて、違いはほとんどシースの有無だと説明されているよ。業界団体の日本電線工業会も、電線とケーブルの間に明確な区別はなく、一般には構造が複雑で太く、シース(外装)のあるものをケーブルと呼んでいる、と紹介しているんだ。同会の入門ページでは、絶縁体はごはんのように導体を包み、シースはその外側を包む海苔——のり巻きのような構造だとたとえられているよ。ここで街に目を戻してみよう。電柱の下の段を通る電話や光ファイバーなどの通信の線は、NTT東日本の公開資料でも「ケーブル」と呼ばれているんだ。呼び分けを知ってから見上げると、電柱の線たちがちょっと違って見えてくるよね。ただし大事な約束をひとつ。垂れた線や切れた線は、電線でもケーブルでも絶対に触らないこと。でんチュンとの約束だよ。
がいし
ピンがいし
ぴんがいし
電線を支えながら、電気が柱や腕金へ逃げないように隔てている白っぽい部品が「がいし」だよ。中でもピンがいしは、電線をまっすぐ支える定番の形。磁器(陶器)や樹脂でできていて、雨をはじく笠のような段々の形をしているのが特徴。電気を通しにくい材料でできているから、電線と柱を安全に離しておけるんだ。
がいし
耐張がいし
たいちょうがいし
電線が引き止められる場所(電柱の曲がり角や末端)で見かける、いくつも連なったがいしが耐張がいしだよ。電線を強く引っぱる力を受け止める役目があって、まっすぐ支えるピンがいしとちがい、電線の“引き留め”に使われる。連なった姿は、がいし好きにはたまらない見どころなんだ。
柱上機器
避雷器
ひらいき
雷などで電線に大きな電圧(サージ)が入り込んだとき、その余分な電気を地面へ逃がして設備を守るのが避雷器だよ。柱上変圧器や区分開閉器のそばに、小ぶりな筒として付いていることがある。ふだんは静かに待機していて、いざというときだけ働く“縁の下の守り神”なんだ。略して「LA」と呼ばれることもあるよ。
柱上機器
鳥害対策器具
ちょうがいたいさくきぐ
電線や腕金の上に、トゲトゲの針山、くるくる回る風車、ぴんと張った細い糸のようなものが付いていることがあるよ。あれは鳥害対策の器具。カラスが電柱に巣を作ると、巣材のハンガーや針金などの金属が電線に触れて、停電の原因になることがあるんだ。だから、鳥がとまったり巣を作ったりしにくいように取り付けられている。メーカーの公開資料では、針山タイプ、風車タイプ、細い糸を張るテグス式などが紹介されていて、鳥を傷つけない軟質樹脂製のものもあるよ。ぼくらスズメにはちょっと世知辛い設備だけど、みんなの電気を守るためだから仕方ないね。でんチュンは別の止まり木を探すよ。ちなみに、電柱の上にカラスの巣を見つけたときは、電力会社が連絡への協力を呼びかけているんだ。
柱上機器
高圧カットアウト
こうあつかっとあうと
柱上変圧器のそばに付いている、小さながいしのような部品が高圧カットアウトだよ。中にヒューズが入っていて、変圧器を守る“ブレーカー兼スイッチ”のような保護機器だと公開資料で説明されている。略して「PC」「カットアウト」と呼ばれることもあるね。ここでは役割と外形の紹介だけにとどめるよ。
柱上機器
街路灯・防犯灯
がいろとう・ぼうはんとう
夜の電柱で光っている照明。あれ、誰が付けているんだろう?電柱に取り付けられた照明には、大きく分けて、道路を照らすための街路灯(道路照明)と、暗い夜道を照らして防犯に役立てる防犯灯があるよ。道路照明は、夜間に道路や交通の様子をきちんと見えるようにして、交通の安全と円滑を図るための施設だと国の設置基準で説明されている。防犯灯のほうは、自治会や町内会が維持管理している例が自治体の公開ページで紹介されているけど、仕組みは地域によっていろいろなんだ。そしてじつは、照明は電柱の持ち主が付けているとは限らない。送配電会社の公開ページでは、街路灯や交通信号は電柱を借りて取り付ける「共架」の設備として紹介されているよ。灯具や柱に管理者のシールやプレートが付いていることがあるから、見上げてみると「誰の照明か」が分かることもある。でんチュンは夜、この明かりのそばで虫をこっそり探すのがお気に入りだよ。
工事・作業の見え方
高所作業車がいる工事
こうしょさぎょうしゃがいるこうじ
街でときどき見かける、荷台からバケット(かご)がにゅーっと伸びる車。あれは高所作業車で、電柱の高い場所の設備を点検・工事するときに使われるよ。でんチュンは遠くの電線からのんびり見物するだけ。何をしているのかは、外から見える範囲で想像するのが楽しいんだ。
工事・作業の見え方
防護管
ぼうごかん
工事現場や足場の近くで、電線に黄色い管がかぶせられているのを見たことあるかな。あれは防護管(建設用防護管)と呼ばれるものだよ。建物の工事やクレーン作業などで電線の近くで作業をするとき、感電などの事故を防ぐために、作業する人への注意喚起(目印)として電線に取り付けるもの、と電力会社グループの公開資料で説明されているんだ。「ここに電線があるよ」と気づいてもらうための目印だから、よく目立つことが大事。メーカーの製品情報でも、目立つ黄色の防護管が紹介されている例があるよ。ポイントは、工事のあいだだけの一時的なものだということ。工事が終わったら取り外しを頼む流れが公開されていて、ふだんの電線には付いていないんだ。似たような黄色でも、支線の根元に巻かれている黄色いカバー(支線ガード)は、ずっと付いている常設のカバーだから別物だよ。そして、いちばん大事な注意。公開資料には、防護管を取り付けたとしても絶対に触ったり足場などが接触したりしないように、という趣旨の説明があるんだ。防護管が付いていても、電線に近づいていいわけではないよ。取り付けの申し込みは、工事をする事業者側が受付サービスに行う仕組みだから、でんチュンと同じように、離れたところから観察するだけにしようね。
安全知識
鳥と電線
とりとでんせん
電線にとまっている鳥は、なぜ感電しないの?——じつはこれ、でんチュン自身の話なんだ。答えは「1本の線だけにとまっているから」。電気は、電圧の差(電位差)がある2点の間を流れる性質があるよ。1本の同じ電線に両足でとまっていると、右足と左足の間には電圧の差がほとんどなくて、電気は抵抗の小さい電線側をそのまま通り過ぎていく。だから鳥の体にはほとんど電流が流れないんだ。でも、この話には大事な続きがある。羽や体が別の電線にも同時に触れると、2点の間に電圧の差ができて、鳥でも感電してしまう。そして地面に立っている人は、電線に触れた時点で「電線と地面」という2点に触れたことになる。だから人は絶対に真似できない。でんチュンだけの特別ルールだと思ってね。ちなみにこのしくみは、スズメだけじゃなくカラスやムクドリ、ハトなど、電線にとまる鳥たちみんなに共通なんだ。夕方の電線にずらっと並んだ鳥たちを見かけたら、「みんな1本の線の上だから平気なんだな」と思い出してみて。体の大きな鳥ほど、羽を広げたときに別の線に触れやすい——そんな目線で眺めると、鳥たちの並び方もちょっと違って見えてくるよ。観察するときは、下から見上げるだけ。電柱や電線に近づいたり、石を投げたりして鳥を驚かせないのが、でんチュン流バードウォッチングの流儀なんだ。
安全知識
切れた電線・垂れた電線
きれたでんせん・たれたでんせん
地面に落ちた電線や、手の届きそうな高さまで垂れた電線は、とても危険だよ。電気が流れたままのことがあって、触れると命に関わる。見つけても絶対に触らない・近づかない、そして周りの人にも知らせて、電力会社や警察・消防など地域の窓口に連絡してね。これはでんチュンとのいちばん大事な約束だよ。とくに台風や大雪のあとは、切れた電線や垂れ下がった電線に注意するよう、各電力会社が公開の注意喚起で呼びかけているんだ。手で触るのはもちろん、棒などで触ったり動かそうとしたりするのもダメ。ビニールで覆われているように見えても、見た目だけでは安全かどうか判断できないからね。連絡するときに知っていると役立つのが、近くの電柱に付いている電柱番号札。番号はその電柱だけのもので、伝えると場所がとても正確に伝わると紹介されているよ。くわしくは「電柱番号札」のページで話しているから、いざというときのために覚えておいてね。友だちと通学路で見つけたときは、自分たちで何とかしようとせず、まず大人に知らせること。それも立派な安全行動なんだ。
安全知識
凧・ドローンと電線
たこ・どろーんとでんせん
凧やドローン、風船やつり糸が電線に近づくのは、とても危ないんだ。電線に触れて感電したり、停電を引き起こしたりすることがある。もし引っかかっても、自分で取ろうとせず、電力会社に連絡してね。電線の近くでは遊ばない — これも大事な約束だよ。
安全知識
ヘビと電柱
へびとでんちゅう
電柱にヘビ!?——じつはこれ、ぼくらスズメにとって、ちょっとドキドキする話なんだ。2021年6月には神奈川県鎌倉市で、電柱にヘビが絡まっていたのが原因で約1300軒が停電した、と報道されているよ。どうしてヘビは電柱にのぼるんだろう?ヒントは、電柱と鳥の関係を研究する「電柱鳥類学」の先生の公開記事にあるんだ。ぼくらスズメは、電線を支える腕金——中が空洞になっている金属の棒——の中に巣材を運び込んで、巣を作ることがある。そしてヘビは、その腕金のスズメの巣を目当てに電柱に登ってくる、と説明されているよ。アオダイショウのようなヘビは木登りが得意で、動物園の公開ページでも「主に鳥類やその卵、小型哺乳類を食べます」と紹介されている。卵やヒナのいる巣は、ヘビにとってはごはんのある場所。ぼくらにはヒヤヒヤの相手だけど、ヘビが悪者というわけじゃなくて、これも生きものの暮らしの一部なんだよね。問題は、電柱の上が電気の通り道だということ。長い体で2本の電線をまたいだり、電線に触れたまま腕金にも触れたりすると、ヘビの体に電流が流れて、停電の原因になってしまうと解説されているんだ。ヘビなどの小動物が電気設備に触れて、短絡や地絡といった事故につながることは、電気保安協会も公開ページで注意を呼びかけているよ。「2点に同時に触れると電気が流れる」——これ、「鳥と電線」のページで話した、ぼくらが1本の線の上なら平気でいられる理由の、ちょうど裏返しなんだ。送電の鉄塔でも、ヘビが支柱に巻き付いて登り、電線に触れてショートさせる被害が報告されていて、電力会社はヘビが登るのを防ぐ器具やカラス対策品を送電鉄塔や電柱に取り付けている、と報道されているよ。もし電柱や電線の近くでヘビを見かけても、触ったり、近づいたり、捕まえようとしたりしないでね。停電や設備の異常が気になるときは、近くの電柱番号札の番号をメモして、電力会社など地域の窓口に知らせてほしいんだ。あとはプロにおまかせ。それが、ぼくらみんなの安全ルートだよ。