安全メモ
足場ボルトは電気設備の作業者が使うものです。登ったり、ぶら下がったりしないでください。傾きや破損に気づいたときは、近くの電柱番号札を控えて電力会社へ連絡してください。


でんチュンの解説
電柱の横から、短い金具がにょきっと突き出ているのを見たことあるかな。あれが足場ボルトだよ。メーカーの公開カタログでは「電柱の昇塔足場として使用します」と説明されている、作業をする人が柱に登るための足場なんだ。通信事業者の公開資料では「足場釘」という呼び方も使われているよ。
見た目は、柱の左右から交互に突き出た短い棒。でも観察のポイントは、地面のすぐ上には付いていないこと。下のほうだけぽっかり空いている柱が多いんだ。
ここには法令の裏づけがあるよ。電気設備に関する技術基準を定める省令の第24条は、架空電線路の支持物について「取扱者以外の者が容易に昇塔できないように適切な措置を講じなければならない」と定めている。それを受けた「電気設備の技術基準の解釈」の第53条が、取扱者が昇降に使用する足場金具等を施設する場合は地表上1.8m以上に施設すること、と数値で示しているんだ。通りすがりの人が手をかけられない高さから始める、という決まりだね。
材料も公開されているよ。電力会社の公開仕様書では、コンクリート柱に使う足場ボルトは「JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材」のSS400またはこれと同等以上とされ、全面一様に亜鉛メッキを施すと決められている。さびに強くしてあるんだね。ボルトを取り付けられない柱には、バンドと組み合わせて使う「足場金物」という別の方法もカタログに載っているよ。
柱をほかの会社が借りる「共架」の基準にも、足場ボルトは何度も出てくるんだ。通信線は足場ボルトより下側へ取り付ける、接地線は足場ボルトから7cm以上離す、昇降柱スペースは最小70cm四方の水平面を空ける。どれも、登る道をふさがないためのルールだよ。
足場ボルトは、電気設備を扱う人のための道具。電力会社の公開資料でも、昇柱するときは柱上安全帯を使い、足場ボルトの取付状況を十分確認しながら登ること、ゆるみや損傷があれば連絡することが案内されている。訓練を受けた人でも、装備と点検が前提なんだ。
でんチュンは羽があるから飛んで上がれるけれど、足場ボルトは人の道具。見上げるだけにしてね。
図解
見分けるヒント
- 作業をする人が柱に登るための足場で、足場金具等は地表上1.8m以上に施設すると解釈で定められている
- 柱の左右から交互に突き出ているが、地面のすぐ上には付いていない
- 共架の基準では、通信線や接地線を足場ボルトから離すことが決められている
- 登るのは装備と点検を前提とした作業者だけ。感電と墜落のおそれがある
よくある質問
電柱の足場ボルトはなぜ下のほうに無いの?
取扱者が昇降に使用する足場金具等を施設する場合は地表上1.8m以上に施設すること、と「電気設備の技術基準の解釈」の第53条に定められているからだよ。もとになる省令の第24条が、取扱者以外の者が容易に昇塔できないように適切な措置を講じることを求めていて、その具体的な数値が解釈で示されているんだ。
足場ボルトの取付間隔は決まっているの?
高さについては地表上1.8m以上という数値が解釈に示されているよ。ただ取付間隔のほうは、調べた範囲の公開資料(電力会社の仕様書や共架の基準、メーカーのカタログ)では確認できなかったんだ。だからこの図鑑では、間隔の数字は書かないでおくね。
足場ボルトが付いていない電柱があるのはなぜ?
解釈の第53条には例外が4つ挙げられていて、足場金具等が内部に格納できる構造である場合、昇塔防止のための装置を施設する場合、さくやへい等を施設する場合、山地等であって人が容易に立ち入るおそれがない場所に施設する場合が並んでいるよ。それに、ボルトを取り付けられない柱にはバンドと組み合わせる「足場金物」を使う方法も、メーカーのカタログに載っているんだ。
関連する項目
くわしい読みもの
参考にした公開情報
- 電気設備に関する技術基準を定める省令 第24条(架空電線路の支持物の昇塔防止)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」第53条(PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東北電力ネットワーク「足場ボルト 概略仕様書」(資材調達・PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 大谷工業「配電通信カタログ No.HT-003」(足場ボルト・足場金物/PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「伝送路設備共架工法基準」(PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東京電力パワーグリッド「有線電気通信設備等電線施設共架技術基準」(PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- NTT東日本「電柱の利用申込み及び契約条件等について」(PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
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