電柱本体マニア級

根かせ

ねがせ / 根枷・コンクリート根かせ・根かせブロック・支線用コンクリートアンカ・電柱 根かせ

安全メモ

根かせは地中の設備です。電柱のまわりを掘ったり、地面の埋設物に触れたりしないでください。柱の傾きに気づいたときは、近くの電柱番号札を控えて電力会社へ連絡してください。

でんチュン(電柱に住むスズメ)が安全を呼びかけているイラスト
でんチュンの顔アイコン

でんチュンの解説

電柱は、ただ地面に埋まっているだけじゃないんだ。地中の部分に、コンクリートの板を抱かせてあることがあるんだよ。それが根かせ。メーカーの公開情報では「風圧等による転倒に対して土壌の抵抗モーメントを増大させ、建柱が垂直に保持されるようU型バンドのボルト締めによって取り付け埋設するもの」「軟弱地盤に建柱する際に、ポールの基礎支持力を補います」と説明されている。土をつかむ面積を増やして、傾きにくくする部品だね。

法令にも出てくるよ。電気設備に関する技術基準を定める省令の第32条は、架空電線路の支持物について、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならないと定めている。それを受けた「電気設備の技術基準の解釈」のほうには、水田その他地盤が軟弱な箇所では、特に堅ろうな根かせを施すこと、という決まりが第59条・第60条に出てくるんだ。やわらかい地面ほど根かせの出番、ということだね。

大きさと留め方も公開されているよ。メーカーの公開値では、コンクリート根かせは 1.0型が全長 1,000mm・39kg、1.2A型が 1,200mm・48kg。柱に留めるのはU型バンドやUボルトで、配電用のカタログには「CP根かせ用Uボルト」が適用径 312mm と 423mm の2種類で載っている。最近は FRP(繊維強化プラスチック)の根枷ブロックもあって、こちらは「根枷バンド」で留めるんだ。

ここが根かせのややこしいところ。同じ「根かせ」という言葉が、2つの部品を指しているんだ。1つめは柱の根かせ。いま話している、柱に抱かせるコンクリートの板だよ。2つめは支線の根かせ。斜めの支線を地面に留めるほうで、解釈にも「支線の根かせは、支線の引張荷重に十分耐えるように施設すること」「これを容易に腐食し難い根かせに堅ろうに取り付けること」と別に書かれている(第61条第1項第四号・第五号)。メーカーのカタログでは2つめを「支線用コンクリート根枷(支線用コンクリートアンカ)」と呼んでいて、全長 2,100〜2,500mm の支線棒と組み合わせて使う。電力会社が公開している基準図にも「コンクリート根枷」と「アンカー」が並んで描かれているよ。

根かせが付くのは、柱が埋まっている範囲の中。どれくらい埋めるか(根入れ)そのものの話は、図鑑の「電柱の高さ・太さ・間隔」のページで紹介しているよ。なお、1本の柱に根かせを何個付けるか、どんな地盤なら必ず付けるかを数値で決めた公開資料は、調べた範囲では見つからなかったんだ。解釈の書き方も「水田その他地盤が軟弱な箇所」という言い方だから、この図鑑でも個数や地盤の線引きは書かないでおくね。

地中の部品だから、ふだんは見えないよ。電柱のまわりを掘ったり、地面の埋設物に触れたりしないでね。柱が傾いて見えるときは、近くの電柱番号札を控えて電力会社へ連絡してね。

地面の下でふんばっている縁の下の力持ち。でんチュンも見たことはないけれど、たしかにそこにいるんだ。

図解

根かせの図解。地面の線を引き、地上より地下を広く取った断面図で描いている。左には電柱の地中部分があり、U型バンドで抱かせたコンクリートの板(柱の根かせ)を取り付けている。板の左右からは赤い矢印が内側へ向き、土がふんばるようすを示している。右には斜めの支線が地面へ入り、破線の支線棒(全長2,100〜2,500mm)を通って、支線用コンクリートアンカ(支線の根かせ)につながっている。支線の途中には玉がいしを小さく添えている。右上の枠には、水田その他地盤が軟弱な箇所では、特に堅ろうな根かせを施すこと(電気設備の技術基準の解釈 第59条・第60条)と、支線の根かせは、支線の引張荷重に十分耐えるように施設すること(同 第61条第1項第五号)を書いている。その下の枠には、メーカー公開カタログの一例としてコンクリート根かせ 1.0型 全長1,000mm・39kg、1.2A型 全長1,200mm・48kg を並べ、個数や地盤の線引きは公開資料になしと注記している。下の帯に、根入れの深さそのものは「電柱の高さ・太さ・間隔」のページで扱うことを添えている。
出典: 電柱図鑑オリジナル図解(公開情報をもとに作成)

見分けるヒント

  • 地中で柱に抱かせるコンクリートの板。土をつかむ力を増やして傾きにくくする
  • 解釈では、水田その他地盤が軟弱な箇所で「特に堅ろうな根かせを施すこと」と定められている
  • 「柱の根かせ」と「支線の根かせ(支線用コンクリートアンカ)」の2種類がある
  • 個数や地盤の線引きを数値で決めた公開資料は、調べた範囲では見つからなかった

よくある質問

電柱の根かせは何のためにありますか?

土をつかむ力を増やして、柱を傾きにくくするためだよ。メーカーの公開情報では「風圧等による転倒に対して土壌の抵抗モーメントを増大させ、建柱が垂直に保持されるようU型バンドのボルト締めによって取り付け埋設するもの」「軟弱地盤に建柱する際に、ポールの基礎支持力を補います」と説明されているんだ。

どんな場所に付けるの?

「電気設備の技術基準の解釈」には、水田その他地盤が軟弱な箇所では、特に堅ろうな根かせを施すこと、と書かれているよ(第59条・第60条)。やわらかい地面ほど出番がある部品だね。ただ、どんな地盤なら必ず付ける・付けないという線引きを数値で決めた公開資料は見つからなかったから、外から見て「必ず付いている」「付いていない」と決めつけることはできないんだ。

支線の根かせと電柱の根かせは同じもの?

別のものだよ。電柱の根かせは、柱に抱かせるコンクリートの板。支線の根かせは、斜めの支線を地面に留めるほうで、解釈にも「支線の根かせは、支線の引張荷重に十分耐えるように施設すること」と別に書かれている(第61条第1項第五号)。メーカーのカタログでは後者を「支線用コンクリート根枷(支線用コンクリートアンカ)」と呼んで、支線棒と組み合わせて使うと説明しているよ。

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