電線入門

送電線

そうでんせん / 送電線と配電線の違い・鉄塔の電線

でんチュンの顔アイコン

でんチュンの解説

遠くの山ぎわや川ぞいで、大きな鉄塔が電線を運んでいるのを見たことあるかな。あれが送電線だよ。発電所でつくられた電気を変電所まで運ぶ線で、電気事業連合会の公開ページでは「発電所−変電所間などを経由する線」と説明されている。中国電力ネットワークの公開ページでも、送電線は「発電所から変電所、次の変電所へと、大量の電気を送る役目を果たしています」と紹介されているよ。高い電圧のまま大量の電気を運ぶから、支えるのも電柱じゃなくて背の高い鉄塔なんだ。

いっぽう、変電所から街や家庭へ電気を配って回るのが配電線で、こちらを支えるのが電柱。つまり、この図鑑に出てくる電柱の電線は、ほとんどが配電線ということになるね。見分け方はシンプルで、鉄骨を組んだ大きな塔にかかっていれば送電線、街なかの1本柱にかかっていれば配電線のことが多いよ。

では、送電線が運んでいるのは何ボルトなんだろう。法令には、電圧の階級が数字で決まっているんだ。「電気設備に関する技術基準を定める省令」の第2条は、電圧を低圧・高圧・特別高圧の三種に分けていて、低圧は直流750V以下・交流600V以下のもの、高圧は直流750Vを、交流600Vを超え、7,000V以下のもの、特別高圧は7,000Vを超えるもの、としている。送電線が運ぶのは、この区分でいういちばん上の「特別高圧」だよ。

実際の数字も公開されているんだ。中国電力ネットワークの公開ページでは「当社の送電線には、発電所から一次変電所へ電気を送る50万V、22万V、11万V送電線のほか、一次変電所で降圧され大工場や鉄道、配電用変電所などへ電気を送る6万6,000V等の送電線があります」と紹介されている。電気事業連合会の公開ページによると、発電所を出た電気は27万5,000〜50万ボルトという超高電圧に変電されてから送り出されて、いくつもの変電所で段階的に電圧を下げながら街へ向かうんだって。家庭のコンセントの100ボルトと比べると、ケタ違いのスケールだよね。

どうしてそんなに高い電圧で送るんだろう。中国電力ネットワークの公開ページでは「電気は、送電線の抵抗等により熱になって空中に逃げる性質があることから、このロスを少なくするために高い電圧で送る必要があります」と説明されているよ。高く上げてから、段階的に下げていく。そのためにいくつもの変電所があるんだね。

ここで気をつけたいのが、「鉄塔なら送電線、電柱なら配電線」はあくまで目安だということ。同じ中国電力ネットワークの配電設備のページでは、配電線について「特別高圧線(2万2,000V),高圧線(6,600V)と低圧線(200Vまたは100V)がある」と説明されていて、配電の中にも特別高圧の線があるんだ。ちなみに、街の高圧配電線が6,600Vなのに対して、送電線の下のほうの階級は6万6,000V。ひと桁ちがいの数字が似ていて紛らわしいから、読むときは0の数を数えてみてね。

支えるものの決まりも、法令に出てくるよ。「電気設備の技術基準の解釈」の第63条の表では、高圧または特別高圧の架空電線路の径間(支持物と支持物の間隔)が、木柱・A種鉄筋コンクリート柱・A種鉄柱なら150m以下、B種鉄筋コンクリート柱・B種鉄柱なら250m以下、鉄塔(170,000V未満)なら600m以下と、支持物の種類ごとに決められている。鉄塔がずいぶん遠くまで一気に渡れるのが、数字からも分かるね。

鉄塔を見上げたときは、電線をぶら下げているお皿のような部品の枚数にも注目してみて。関西電力送配電の公開ページでは、電圧が大きくなるにつれてがいしの数が多くなるので、がいしの数で送電線の電圧を見分けることができると案内されているよ。枚数の目安や、当てはまらない例は、図鑑の「懸垂がいし」のページで話しているね。

遠くに鉄塔の列を見つけたら、山や川を越えて電気を運ぶ送電線のルートを目でたどってみるのも面白いよ。ただし鉄塔や送電線は近づいたり触れたりしていい設備ではないから、離れたところから眺めて楽しんでね。でんチュンは鉄塔だと高すぎて風も強いから、やっぱり電柱の高さがいちばん落ち着くんだ。

図解

送電線と配電線の対比図。左に送電鉄塔が立ち、腕から懸垂がいしで送電線をぶら下げている。ラベルに「特別高圧=7,000Vを超えるもの」「50万V・22万V・11万V・6万6,000V等(中国電力ネットワークの公開ページ)」を添えている。右には電柱が立ち、上段に高圧配電線6,600V、柱上変圧器をはさんで下段に低圧配電線100V・200Vが並ぶ。右側のパネルには省令第2条による電圧の区分(低圧=交流600V以下、高圧=交流600Vを超え7,000V以下、特別高圧=7,000Vを超えるもの)を階段状に示し、その下に解釈第63条の径間の表(木柱・A種150m以下/B種250m以下/鉄塔600m以下)を置いている。下部の帯には「鉄塔=送電線、1本柱=配電線は目安。配電線にも2万2,000Vの特別高圧線がある」と注記している。
出典: 電柱図鑑オリジナル図解(公開情報をもとに作成)

見分けるヒント

  • 発電所から変電所まで電気を運ぶのが送電線、変電所から家庭へ配るのが配電線
  • 送電線は主に背の高い鉄塔が、配電線は電柱が支えている
  • この図鑑で扱う電柱の電線は、ほとんどが配電線
  • 法令の区分では7,000Vを超えるものが「特別高圧」。送電線が運ぶのはこの階級
  • 中国電力ネットワークの公開ページでは、送電線の電圧として50万V・22万V・11万V・6万6,000V等が紹介されている

よくある質問

送電線と配電線の違いは?

発電所から変電所まで電気を運ぶのが送電線、変電所から街や家庭へ配るのが配電線だよ。送電線は主に鉄塔が、配電線は電柱が支えているんだ。

鉄塔と電柱の違いは?

ざっくり言うと、送電線を支えるのが鉄骨を組んだ背の高い鉄塔で、配電線を支えるのが街なかの電柱だよ。高い電圧のまま大量の電気を運ぶ送電線には、それだけ背が高くて丈夫な支えが必要なんだ。

送電線にはどれくらいの電圧が流れているの?

電気事業連合会の公開ページでは、発電所を出た電気は27万5,000〜50万ボルトという超高電圧に変電されて送り出される、と紹介されているよ。変電所で段階的に下げられて、街の配電線ではおよそ6,600ボルトになるんだ。

送電線は法令ではどの区分になるの?

「電気設備に関する技術基準を定める省令」の第2条は、電圧を低圧・高圧・特別高圧の三種に分けていて、7,000Vを超えるものが特別高圧とされているよ。中国電力ネットワークの公開ページでは、送電線の電圧として50万V・22万V・11万V・6万6,000V等が紹介されているから、送電線はこの特別高圧にあたるんだ。数字は会社や路線で違うから、あくまで例だよ。

家の近くの電柱の電線は送電線なの?

電柱にかかっている電線は、ほとんどが変電所から家庭へ電気を配る配電線だよ。送電線は発電所から変電所までを結ぶ線で、主に背の高い鉄塔が支えているんだ。

電柱に架かっている線は、全部が高圧か低圧なの?

そう決めつけないほうがいいよ。中国電力ネットワークの配電設備の公開ページでは、配電線には特別高圧線(2万2,000V)、高圧線(6,600V)と低圧線(200Vまたは100V)がある、と説明されているんだ。「鉄塔なら送電線、1本柱なら配電線」は便利な目安だけれど、例外もあると覚えておいてね。

関連する項目

くわしい読みもの

参考にした公開情報

街で見つけたら記録しよう

見つけるのは、はなれて見上げるだけでOK