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9月はなぜ防災月間? — 台風・秋雨・塩害・雷、電気が止まりやすい月の備え

最終更新: 2026-08-23/公開情報をもとに作成しています

9月が「防災月間」と呼ばれるのは、9月1日が1923年の関東大震災の日で、暦の「二百十日」(立春から210日目、9月1日ごろ)、つまり昔から台風の厄日とされてきた日とも重なるからです。地震と台風の2つが同じ日付に重なったため、この日が「防災の日」になりました。防災週間は毎年8月30日から9月5日。2026年は8月30日(日)から9月5日(土)までです。

そして9月は、電気が止まりやすい条件が重なる月でもあります。台風の上陸数は気象庁の平年値で9月が年間最多。秋雨前線が台風と組んで大雨を降らせ、台風が去ったあとには潮風の塩分による「塩害」の停電が起き、東京の平年値では9月の雷日数が7月と同じ2.5日残ります。

このページでは、防災の日の由来を内閣府・東京消防庁・国立天文台の公開情報で確かめます。そのうえで、9月に電気が止まりやすい4つの理由、「台風が過ぎたのに停電」の正体、復旧の進み方、防災週間にやっておきたい電気まわりの5分点検を、気象庁と送配電会社の公開ページを根拠にまとめます。

9月が防災月間なのはなぜ? — 関東大震災の日が、暦の「二百十日」でもあるから

答えは日付の重なりにあります。1923年9月1日、関東大震災が起きました。この日付は、暦の雑節「二百十日」(立春から数えて210日目で、太陽暦では9月1日ごろ)とも重なります。東京消防庁の消防雑学辞典によると、二百十日とその10日後の二百二十日は、昔から台風が襲来する厄日として警戒されてきた日で、関東大震災の日と重なることから9月1日が「防災の日」に定められました。同じページは、統計的に二百十日に台風が来やすいわけではなく、台風期を控えた警戒期と考えられる、とも補足しています。地震の記憶と台風への昔ながらの警戒が同じ日に乗っているのが、9月1日という日付です。

制度の骨格を内閣府の公開ページで確かめておきます。「防災の日」は1960年(昭和35年)6月17日の閣議了解で創設され、現在は1982年(昭和57年)5月11日の閣議了解に基づいて、毎年9月1日と定められています。「防災週間」は防災の日を含む1週間で、1983年(昭和58年)の中央防災会議の決定により、それ以降は毎年8月30日から9月5日までに固定されました。目的として挙げられているのは、台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波等の災害についての認識を深めること。列挙の先頭は、地震ではなく台風です。なお「防災月間」は通称で、内閣府のページに出てくる正式な名前は「防災の日」と「防災週間」です。

制定の直接のきっかけは、1959年9月26日の伊勢湾台風でした。東京消防庁の解説では、全壊・半壊・流失した住家が15万3,893戸、死者4,700人、行方不明401人と記されています。この大災害の翌年、1960年に防災の日が創設されました。防災の日は「地震の日」として生まれたというより、伊勢湾台風の翌年に、関東大震災と二百十日の重なる9月1日を選んで置かれた日、と読めます。

2026年の日程は、内閣府の令和8年度の案内で、防災週間が8月30日(日)から9月5日(土)までと示されています。防災の日は9月1日で、2026年は火曜日にあたります。国立天文台の令和8年暦要項では、2026年の二百十日は9月1日。東京消防庁が「立春から220日目」と説明する二百二十日は暦要項には載っていません。同じ数え方で10日後を取ると、2026年は9月11日です。防災の日と二百十日がぴったり重なる年です。

関東大震災そのものについては、内閣府の「1923 関東大震災」報告書から引きます。1923年9月1日の正午2分前、マグニチュード7.9(推定)。死者は約10万5千人(報告書の集計で10万5,385人)。昼食どきに起きた火災が強風にあおられて燃え広がった、という記述が残っています。

2026年8月30日から9月5日の防災週間を塗った暦の帯に、9月1日の防災の日(関東大震災・二百十日)、9月11日の二百二十日(二百十日の10日後)、9月26日の伊勢湾台風を打点し、下段に気象庁の台風上陸数平年値(7月0.6・8月0.9・9月1.0・10月0.3個)を月別の棒で添えた図
防災週間は、台風の上陸が年間で最も多い月の入口にある(暦: 内閣府・国立天文台、上陸数: 気象庁)出典: 電柱図鑑オリジナル図解(公開情報をもとに作成)

電気が戻る瞬間に火が出る? — 通電火災のしくみと、いまできる備え

9月は「電気が止まりやすい月」 — 台風・秋雨前線・塩害・秋の雷の4つの理由

9月に電気が止まりやすいのは、台風・秋雨前線・塩害・秋の雷という4つの条件が同じ月に重なるからです。先に断っておくと、全国の停電を月別に集計して一般向けに公開した統計は、この記事で確認した気象庁と送配電会社の公開ページには見当たりませんでした。そのためこの記事は、停電件数の統計をもとに「9月が停電の最多月」とは言いません。言えるのは、停電を起こす気象条件が9月にいちばん重なる、というところまでです。その根拠を1つずつ見ていきます。

理由の1つ目は台風です。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、台風の上陸数は8月0.9個、9月1.0個、10月0.3個で、9月が年間で最も多く、年間3.0個のおよそ3分の1が9月に集中します。接近数は8月・9月とも3.3個で並びます。気象庁の「台風の経路」の解説によれば、9月以降の台風は南の海上から放物線を描くように日本付近を通る経路をとりやすく、室戸台風や伊勢湾台風など、過去に大きな災害をもたらした台風の多くがこの時期のものでした。強風で飛ばされた物で電線が切れ、大雨の土砂崩れで電柱が倒れて停電する、と中部電力パワーグリッドは説明しています。そのしくみは「台風と停電」の記事で詳しく扱っています。

2つ目は秋雨前線と大雨です。気象庁の関東甲信地方の解説では、夏から秋への移行期に秋雨前線が日本付近に現れ、秋の降水量が多くなると説明されています。気象庁の「台風や集中豪雨から身を守るために」も、季節の変わり目には梅雨前線や秋雨前線が停滞してしばしば大雨を降らせ、毎年こうした大雨で河川の氾濫や土砂災害が起きていると注意を促しています。東京の降水量の平年値は9月が224.9mm、10月が234.8mmで、年間の上位2か月。夏の盛りより秋のほうが雨は多い、というのが東京の平年の姿です。

秋雨前線に台風が加わると、雨は一段と強まります。福岡管区気象台のコラムが挙げる2006年9月の事例では、停滞する秋雨前線に南から北上する台風が暖かく湿った空気を送り込んで前線が活発化し、9月16日に佐賀県伊万里で日降水量285mm、1時間降水量99mmを観測しています。大雨で土砂崩れが起き、電柱が倒れて電線が切れると停電になることは、中部電力パワーグリッドの台風時の注意点にも書かれています。

3つ目は塩害です。中部電力パワーグリッドの解説によれば、海に近い地域では、塩分を含んだ強い潮風が設備に吹き付け、その塩分が電線を支える「がいし」に付着して火花が出ることがあります。同社はこれを「大雨や台風通過後によくみられます」と書いています。つまり塩害は台風が通り過ぎてから起きる停電で、風がやんだあとに電気が消えることがあります。9月の停電には、こういう「時間差」があります。塩分でなぜ電気が漏れるのかは、次の章で北陸電力の研究紹介に沿って追います。

4つ目は秋の雷です。東京の雷日数の平年値は、7月2.5日、8月3.2日、9月2.5日、10月0.8日。9月は真夏の7月と同じ水準が残ります。関西電力送配電の「停電の原因」では、雷によって電線を大地から絶縁しているがいしが破損し、停電が起きることが挙げられています。ただし気象庁の「雷の観測と統計」によると、内陸の宇都宮では夏に、日本海側の金沢では冬に雷日数が多いという地域差があります。「秋にも雷が残る」は、東京の平年値で見た話として読んでください。雷で停電するしくみそのものは「雷で停電するのはなぜ?」で整理しています。

送配電会社の側も、この重なりを時期として公開しています。関西電力送配電の「停電の原因」は、風や雨の影響による停電の多発時期を「夏・秋」、雷の影響による停電の多発時期を「夏」としています。下の図は、こう読んでください。台風の上陸数は9月が最多で、降水量は夏より多く、雷日数は夏並みに残り、塩害はその台風のあとに来る。9月は、この4つがそろう月です。

7月から10月を横軸に、台風の上陸数平年値、東京の降水量と雷日数の平年値、台風通過後に起きる塩害の矢印を重ねて、台風が最多で降水量が夏より多く雷日数が夏並みに残る9月に4つの要因がそろうことを示した図
台風・秋雨・塩害・雷が9月にそろう(気象庁と中部電力パワーグリッドの公開値から作図。降水量・雷日数は東京の平年値)出典: 電柱図鑑オリジナル図解(公開情報をもとに作成)

台風と停電 — なぜ起きる?復旧はどう進む?雷で停電するのはなぜ? — 直撃雷と誘導雷、電柱の上で起きていること

「台風が過ぎたのに停電」「風が弱いのに停電」 — 9月ならではの2つのパターン

「台風はもう抜けたのに、なぜ今ごろ停電するのか」。その答えの1つが塩害です。北陸電力の技術開発研究所が公開している研究紹介では、塩害による停電事故の流れが3段階で示されています。潮風に乗った塩分ががいしの表面に付着し、塩分が湿気を含んで絶縁性能が低下し、電気が表面を伝って漏れて事故に至る、という順です。がいしは、電線を電柱や大地から電気的に切り離しておくための絶縁の部品です。ふだんは水をはじく盾のように働きますが、表面に塩が乗って湿ると、盾の表面に電気の道ができてしまいます。

具体例を1つだけ、出典に沿って挙げます。2005年の台風14号では、石川県志賀町(旧富来町)で11時間半におよぶ停電が起きました。北陸電力の研究紹介によると、この台風は雨が少なく、がいしに付着した塩分が流れ落ちにくかったうえ、付着の範囲が広かったことが長引いた理由でした。雨が少ないと、塩は流れにくい。雨の少ない台風は海沿いの電柱には厳しい、という事例です。

台風のあと、がいしのあたりから音や小さな火花が出ることがあります。電気事業連合会の「台風・水害のとき」は、送電鉄塔について、大気中の塵や塩分ががいしに付いて霧雨や夜露で湿ると表面で放電し、「ジージー」という音や小さな火花が出る、特に台風通過後によく見られる現象だと説明しています。同じページは、鉄塔のこの現象は安全上も送電上も支障はない、と説明しています。ただし、それは送電鉄塔の話です。電柱の側の設備については、中部電力パワーグリッドが停電発生理由の1つとして、がいしに付いた塩分で火花が出ることがあると案内しています。音や火花が出たら必ず停電する、というわけではありません。ただ、近づかない、触らない、気になれば送配電会社の窓口へ、火や煙が出ていれば119へ、という原則は鉄塔でも電柱でも変わりません。海岸から何メートルまでが塩害の地域か、という一般向けの線引きは見つけられませんでした。北陸電力の研究紹介には、海岸線からの距離で配電線のがいしの塩分付着量を推定できるという図(横軸は海岸からの距離10〜10,000m)がありますが、住民向けの距離の目安までは示していません。そのためこの記事では、中部電力パワーグリッドの表現にならって「海に近い地域」と書いています。

もう1つのパターンが秋雨前線型です。風はそれほど強くないのに停電する理由は、雨そのものにあります。大雨で土砂崩れが起き、電柱ごと倒れて電線が切れる、と中部電力パワーグリッドは説明しています。しかも福岡管区気象台のコラムが示すように、台風本体が離れていても、前線側で大雨になることがあります。「台風はそれたのに停電した」が起きるのは、この組み合わせのときです。

家の側で「外の停電なのか、うちだけなのか」を切り分ける考え方は、別の記事に任せます。近所も消えているか、うちだけか、ブレーカーが落ちていないのに消えているか。この見分け方は「停電なのにブレーカーが落ちてない?」に、一瞬消えてすぐ戻った場合は「瞬停(一瞬の停電)とは?」にまとめています。

がいし(図鑑)停電なのにブレーカーが落ちてない? — 「家の外側」で起きていることの見分けかた一瞬だけ停電してすぐ戻るのはなぜ? — 瞬時電圧低下と自動再送電

停電したら、どう戻る? — 復旧の順番と、9月に知っておきたい「待ち方」

復旧は、変電所に近いところから順に進みます。中部電力パワーグリッドの「停電復旧のしくみと停電理由」によれば、まず変電所に近いエリアから順番に電気を流して、停電の原因がある区間を絞り込みます。故障箇所より先の区間には別の変電所から迂回して電気を送り、原因の特定には電柱を1本1本見て回る作業が必要になります。「隣の通りは点いたのに、うちはまだ」が起きるのは、この順番の表れです。

台風のときは、ここに「風がやむのを待つ時間」が加わります。九州電力送配電の「停電の復旧手順」では、台風の進路や規模から被害を予測して、被害が集中しそうな場所に前もって人を手配し、台風の襲来後に設備の被害箇所を確認してから、変電所など電源側から順に復旧する流れが説明されています。沖縄電力の「早期復旧に向けた取り組み」は、暴風警報の発令中は風雨が強く屋外での作業が危険なため、屋内からの遠隔操作で復旧を行い、風雨がおさまってから現地で被害箇所を目視で確認し、高圧線、低圧線・引込線の順に復旧すると説明しています。復旧が本格化するのは「風がやんでから」、というのが同社の公開ページの説明です。9月の停電を待つときは、この前提を知っておくと見通しが立てやすくなります。

停電の状況を出しているのは、電気を契約している小売の会社ではなく、各エリアの送配電会社です。全国10エリアの停電情報ページへの入口は、電気事業連合会がリンク集として公開しています。電話番号は各社の公式ページで確認してください。エリアごとの探し方は「停電情報の調べ方」にまとめています。

やってはいけないことは、「台風と停電」の記事と同じ原則です。切れた電線、垂れ下がった電線には近づかない。触らない。電気が流れたままのことがあり、触れると命に関わります。九州電力送配電、中国電力ネットワーク、電気事業連合会の公開ページが、そろってこの点を呼びかけています。中部電力パワーグリッドは、引込線から火花が出ている場合は分電盤のブレーカーを切って連絡するよう案内しています。連絡先は各エリアの送配電会社の公式ページで確認してください。火や煙が出ている、人が倒れているときは119へ。設備のことは送配電会社の案内に従ってください。見つけたときの行動の流れは、図鑑の「切れた電線・垂れた電線」のページにあります。

9月の停電で、もうひとつ知っておきたいのが「電気が戻る瞬間」です。九州電力送配電と中国電力ネットワークは、避難するときは電気の消し忘れによる火災を防ぐために分電盤のブレーカーを切るよう呼びかけています。九州電力送配電は、設備に異常がなければ災害時も電気は送られてくる、とその理由を添えています。中部電力パワーグリッドは、停電の復旧時に電気の消し忘れによる災害を防ぐため、分電盤のブレーカーを切っておくよう案内しています。北陸電力送配電は、復旧に備えてドライヤーやアイロン、電気ストーブなど熱を出す機器のプラグを抜いておくよう案内しています。内閣府の検討会資料によれば、東日本大震災の本震による火災のうち、原因が特定されたものの過半数が電気関係でした。関東大震災の火災は昼食どきの火の使用から広がったものですが、「地震のあとに火が出る」という点では、現代の通電火災と重なります。しくみと備えは「通電火災」の記事で扱っています。

復旧までの時間は、原因によって差が大きく、無事な区間から順に戻ります。最新の見通しは、お住まいのエリアの送配電会社の停電情報ページで確認してください。

台風と停電 — なぜ起きる?復旧はどう進む?停電情報の調べ方 — 全国の停電情報ページまとめ切れた電線・垂れた電線(図鑑)電気が戻る瞬間に火が出る? — 通電火災のしくみと、いまできる備え

防災週間にやっておく「電気まわりの5分点検」

防災週間の7日間のうち、5分だけ電気まわりに使ってください。5項目のうち、分電盤・道具・プラグの3つは送配電会社が公開ページで呼びかけている内容、電柱番号と停電情報ページの2つはこのサイトからの提案です。

順番にも意味があります。最初の2つは「停電してから探すと間に合わないもの」、3つ目は「避難の直前に迷わないためのもの」、残りの2つは「停電中と、電気が戻る瞬間に備えるもの」で、場所と情報を先に押さえ、道具はそのあと、という並びです。

  • 家の前の電柱番号をスマホで撮っておく。停電や電線のトラブルを伝えるとき、電柱番号は「場所の住所」になります。番号札の読み方は「電柱番号の調べ方」と図鑑の「電柱番号札」にまとめています。
  • 自分のエリアの送配電会社の停電情報ページをブックマークする。入口は電気事業連合会のリンク集。停電中はスマホの電池を節約したいので、探す手間をいまのうちに消しておきます(詳しくは「停電情報の調べ方」)。
  • 分電盤(ブレーカー)の場所を家族全員で確認する。日頃から位置を確認しておき、避難するときはブレーカーを切る、というのが送配電会社の呼びかけです。
  • 懐中電灯・携帯ラジオ・モバイルバッテリー・予備の乾電池を、すぐ手に取れる場所に置いて電池を点検する。電気で着火するガスコンロは停電時に使えないことがある。
  • 復旧に備えて、ドライヤーやアイロン、電気ストーブなど熱を出す機器のプラグを抜いておく。

分電盤・道具・プラグの3項目は、九州電力送配電「災害時に備えてのお願い」(懐中電灯・携帯ラジオと電池の点検、電気着火のガスコンロ、避難時のブレーカー)、中国電力ネットワーク「災害に備えて」(ブレーカーの位置確認と避難時の操作、懐中電灯・携帯ラジオと電池の確認)、関西電力送配電「災害への備え(台風・水害編)」(懐中電灯・モバイルバッテリー・予備の乾電池)、北陸電力送配電「災害・停電時の対処法」(懐中電灯の置き場所、熱機器のプラグ)の呼びかけから引きました。ブレーカーを切る・プラグを抜く以外の屋内の操作や配線には、この記事は触れません。

電柱番号の調べ方電柱番号札(図鑑)停電情報の調べ方 — 全国の停電情報ページまとめ

9月の電柱観察 — 台風の前に見るもの、あとに近づかないもの

台風が来る前に見ておくものから。中国電力ネットワークと関西電力送配電は、トタンや看板、アンテナなど風で飛ばされやすい物を固定するよう呼びかけています。関西電力送配電は、物干し竿や植木鉢、ごみ箱などは室内へ、とも書いています。飛んだ物が電線にかかれば、それが停電の原因になるからです。電柱の側にも、風・塩・雷に備えるための部品があります。電線に引っぱられる柱を反対側から支える「支線」、電線を柱から絶縁する「がいし」、そして秋の雷を地面へ逃がす「避雷器」。台風シーズンの電柱観察は、この3つを順に探すところから始めてください。

台風が去ったあとは、見かけても近づかないものを覚えておく番です。垂れた電線、切れて地面に落ちた電線、そして前の章で触れた、がいしのあたりの火花や音。観察は離れた場所から。何かに気づいたら、自分で確かめに行かず、送配電会社へ連絡してください。電柱番号を添えると、場所が伝わります。

季節ごとの見どころは「電柱観察ごよみ」に、親子で歩くときの観察シートは「親子で電柱かんさつ」にあります。

この記事で読んだ「変電所側から順に戻す」という復旧の流れは、姉妹サイトのブラウザゲーム「停電レスキュー」で手を動かして追えます。手掛かりを集めて停電の原因を見極め、復旧の順番を決めていくゲームです。ゲーム内の設備やシナリオは公開情報をもとにした仮想のもので、実在の設備や運用を再現したものではありません。別のサイトで開きます。

9月1日に一度だけ、家の前の電柱を見上げてみてください。番号札を撮って、支線とがいしと避雷器を探せば、この記事の5分点検の最初の項目は終わっています。

支線(図鑑)避雷器(図鑑)電柱観察ごよみ親子で電柱かんさつ(観察シート)無電柱化と災害(よみもの)停電は英語でなんて言う? — blackout・outage・power cut停電レスキュー(ゲーム・姉妹サイト)

よくある質問

防災の日はなぜ9月1日なのですか?

9月1日は、1923年に関東大震災が起きた日であり、暦の「二百十日」(立春から210日目、太陽暦では9月1日ごろ)=台風が襲来する時期として警戒されてきた日と重なるためです(東京消防庁の消防雑学辞典)。1959年9月26日の伊勢湾台風を受けて、1960年の閣議了解で創設されました。現在は1982年5月11日の閣議了解に基づき、毎年9月1日と定められています(内閣府)。

防災週間はいつですか?2026年は?

防災の日を含む1週間で、1983年以降は毎年8月30日から9月5日までに固定されています(中央防災会議決定)。2026年は8月30日(日)から9月5日(土)までです(内閣府 令和8年度の案内)。防災の日の9月1日は、2026年は火曜日にあたります。

9月は本当に停電が多いのですか?

全国の停電を月別に集計して一般向けに公開した統計は、この記事で確認した気象庁と送配電会社の公開ページには見当たらず、停電件数の統計をもとに「最も多い月」とは言えません。言えるのは、電気が止まりやすい条件が重なる月だということです。根拠は4つ。台風の上陸数の平年値が9月1.0個で年間最多(気象庁)。秋雨前線と台風で大雨になりやすい(気象庁)。塩害が台風通過後に起きる(中部電力パワーグリッド)。東京の雷日数が9月も7月並み(気象庁)。送配電会社も、風や雨による停電の多発時期を夏・秋と公開しています(関西電力送配電)。

台風が過ぎたあとに停電するのはなぜですか?

潮風で運ばれた塩分ががいしに付着し、湿ると絶縁が下がる「塩害」が起きるためです(北陸電力の研究紹介)。中部電力パワーグリッドも停電発生理由の1つとして、がいしに付いた塩分で火花が出ることがあり、大雨や台風通過後によくみられると案内しています。2005年の台風14号では、雨が少なく塩が流れにくかったことなどから、石川県志賀町で11時間半の停電が起きました(北陸電力)。火花や音に気づいても近づかず、送配電会社の窓口へ連絡してください。火や煙が出ていれば119へ。

停電したら、まずどこを見ればいいですか?

お住まいのエリアの送配電会社の停電情報ページです。入口は電気事業連合会のリンク集にまとまっています。ブレーカーが落ちていないのに消えているなら外側の停電の可能性があり、近所も消えているか、すぐ戻ったかで切り分けます(「停電なのにブレーカーが落ちてない?」の記事へ)。切れた電線には近づかない・触らない、火や煙が出ていれば119へ、が原則です。

「防災月間」は正式な名前ですか?

内閣府の防災の日・防災週間のページに出てくるのは「防災の日」(9月1日)と「防災週間」(8月30日〜9月5日)で、「防災月間」という言葉は出てきません。9月の取り組みをまとめて指す呼び方として広く使われているため、この記事でも「防災月間と呼ばれる」と書いています。

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