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台風と停電 — なぜ起きる?復旧はどう進む?
最終更新: 2026-07-27/公開情報をもとに作成しています
台風が近づくと、「停電するかもしれない」「停電したら、いつ戻るんだろう」という不安がついてまわります。実際、台風は停電の大きな原因のひとつで、各地の送配電会社も台風前後の注意を呼びかけています。
このページでは、台風で停電が起きる理由、復旧が進む流れ、「一瞬消えてすぐ戻った」の正体、台風の前にできる備え、停電中・停電後の注意点を、送配電会社や気象庁の公開情報をもとに整理します。
台風で停電が起きる主な理由
台風のときに停電が起きる分かりやすい原因は、強風で飛ばされた物です。関西電力送配電の「停電の原因」では、強風にともなう飛来物や樹木の倒壊、山崩れなどにより、電線が切れたり電柱が倒れたりすることが停電の原因として挙げられています。トタンや看板、シート類など、ふだんは飛ぶと思っていない物が風に乗って電線にかかることがあります。
大雨が重なると、倒木や土砂崩れで電柱や電線が被害を受けることもあります。また、海に近い地域では「塩害」も知られています。中部電力パワーグリッドの台風時の注意点では、台風のあと、潮風で運ばれた塩分ががいし(電線を支える絶縁の器具)に付いて、火花が出ることがあると案内されています。
こうした原因の多くは、台風が来てしまってからではどうにもなりません。ただし、来る前に気づけるものもあります。電線に近づいてきた庭木の枝と、電柱に巻きついたツタです。関西電力送配電の「その他のご注意いただきたい電気事故」では、樹木が高圧線に接触している、ツタが巻き上がり高圧線に接触しているといった状況を見かけたら連絡してほしいと呼びかけられています。どちらも自分で切ったり剥がしたりせず、その線を管理する会社へ連絡するのが基本です。この話は、後半の「台風が来る前にできること」につながります。
もし切れた電線や垂れ下がった電線を見つけたら、絶対に触らず、近づかないでください。見つけたときの行動の流れは、図鑑の「切れた電線・垂れた電線」のページにまとめています。
切れた電線・垂れた電線(図鑑) →電線に木の枝がかかっていたら →電柱にツタ・つる草が巻きついていたら →電線や電柱から火花が出ている — 雨の日・台風のあとに多い理由と連絡先 →
復旧はどう進む? — 無事な区間から順番に
台風で広い範囲が停電すると、送配電会社はまず「どこで何が起きているか」の特定から始めます。関西電力送配電の「復旧のしくみ・復旧の流れ」では、停電の原因区間をシステムで自動的に検出し、原因のある区間を切り離したうえで、それ以外の区間へ先に電気を送る流れが紹介されています。切り離した区間は、現場で被害状況の調査と安全確認を行い、設備を修理してから送電を再開します。
ここでポイントになるのが、配電線がいくつかの「区間」に分かれていることです。電柱の上にある柱上開閉器というスイッチで電気の通り道を区切れるため、被害のあった区間だけを切り離し、無事な区間から順に電気を戻せます。「隣の区画はもう点いたのに、うちはまだ」が起きるのはこのしくみの表れで、自分のいる区間に被害箇所が含まれているかどうかで、復旧のタイミングが変わるのです。
復旧までの時間は、被害の規模や状況によって大きく変わるため、一律には言えません。お住まいのエリアの送配電会社の停電情報ページで、最新の停電状況や復旧の見通しを確認してください。
一瞬消えてすぐ戻った・台風のあと勝手についたのはなぜ?
「一瞬だけ消えて、すぐ戻った」「停電していたのに、台風が過ぎたら勝手についていた」——これは多くの場合、故障ではなく、電気を送る側のしくみによるものです。関西電力送配電の公開解説では、木の枝が一時的に配電線に触れたようなケースでは、変電所のスイッチが自動的にいったん切れ、約1分後に自動で送電を再開し、原因がなくなっていればそのまま復旧するとされています。
また、雷などの影響で、停電まではいかなくても電圧がごく短い時間(0.07秒〜2秒ほど)だけ瞬間的に下がる「瞬時電圧低下(瞬低)」という現象もあります。照明が一瞬ちらついたり、機器が止まったりするのはこのためで、関西電力送配電や九州電力送配電が公開ページで解説しています。
いずれも故障ではないことが多いのですが、停電したまま戻らない場合や、何度も繰り返す場合は、お住まいのエリアの送配電会社の停電情報ページで状況を確認してください。このあたりのしくみは「瞬停(一瞬の停電)とは?」でくわしく取り上げています。
台風が来る前にできること
台風による停電をすべて防ぐことはできません。それでも、できることは残っています。「飛ばされる物を減らす」ことと、「停電してから困らないよう、先に控えておく」こと。この2つに分けて整理します。
まずは、家のまわりを電気の目線で見てみましょう。物干し竿、植木鉢、ごみ箱、シート類、はがれかけたトタン——「飛ぶかもしれない物」を挙げるだけでなく、「飛んだらどこへ行くか」まで考えると景色が変わります。近くの電柱と電線がどこを通っているかを先に確かめる、という順番です。中部電力パワーグリッドも、飛ばされたトタンや看板、ビニールシートなどが電柱や電線にかかって停電の原因になる場合があるとして、台風接近前の撤去・固定への協力を呼びかけています。
あわせて見ておきたいのが、電線に近づいてきた庭木の枝と、電柱に巻きついたツタです。沖縄電力の台風対策の案内では、アンテナや樹木の枝が強風で倒れたり折れたりして電線に触れると危険だとして、庭木の枝を適当な高さに伐採するよう案内されています。ただし、すでに電線に接触している枝やツタを自分で切る・剥がすのは、感電のおそれがあり危険です。手を出さず、その線を管理する会社へ連絡してください。
ここからは、電柱の図鑑だからこそおすすめしたい備えです。停電してからでは調べにくいことを、電気があるうちに控えておく。それだけで動きが変わります。
まず、家のいちばん近くにある電柱の番号を控えておくこと。電柱には管理用の「電柱番号札」という小さなプレートが付いていて、切れた電線や飛来物を見つけて連絡するとき、この番号を伝えると場所の特定がぐっと早くなります。ところがこの札、地上2〜3mほどの高さに付いていることが多いようで、停電のさなかに読み取るのは意外と大変です。停電の範囲によっては街灯も消えていますし、雨や風のなかでライトを向けても思うように読めないことがあります。明るいうちに、散歩のついでに一度読んでメモしておく。札の探し方・読み方は「電柱番号の調べ方」にまとめています。
次に、お住まいのエリアの停電情報ページをブックマークしておくこと。停電情報を出しているのは、ふだん電気を契約している会社ではなく、エリアごとの送配電会社です。関西電力送配電は停電情報アプリの事前ダウンロードを案内し、中国電力ネットワークもスマートフォンのアプリで停電に関する情報を確認できると案内しています。用意されているものはエリアによって異なるので、自分の地域のものを確かめておいてください。探し方は「停電情報の調べ方」にまとめています。連絡窓口が各社の公式サイトのどこにあるのかも、一度たどっておくと動き出しが早くなります。
一般的な停電の備えも欠かせません。関西電力送配電の「災害への備え(台風・水害編)」では、懐中電灯や携帯電話用のモバイルバッテリー、予備の乾電池などをすぐに取り出せる場所に用意しておくこと、浴槽やバケツなどに水をためておくと断水のときに活用できることが案内されています。飲み物や食べ物の備えもあわせてどうぞ。なお当サイトは広告を載せていないため、防災グッズや電源機器の商品紹介・比較は行いません。
最後に、各社・自治体が呼びかけている行動をひとつ紹介しておきます。中部電力パワーグリッドは台風のときの注意点として「停電復旧時、電気の消し忘れによる災害を防ぐため、分電盤のブレーカーを切ってください」と案内しています。電気事業連合会も「避難の際など災害時に家を空ける場合にはブレーカーを切りましょう」と呼びかけています。ただし当サイトは電柱と配電設備の図鑑であり、屋内の電気設備(分電盤など)は扱っていません。ここでは、こうした呼びかけが公式に出ているという事実の紹介にとどめます。具体的な操作や順番は、各社・自治体の案内に従ってください。
- 飛ばされやすい物を片づける: 物干し竿・植木鉢・ごみ箱・シート類・はがれかけたトタンなど。
- 電線に近い庭木の枝・電柱のツタには手を出さない: 気づいたら、その線を管理する会社へ連絡します。
- いちばん近くの電柱番号を控えておく: 停電してからでは番号札が読み取りにくいので、明るいうちにメモを。
- 停電情報ページと連絡窓口をブックマークしておく: エリアごとの送配電会社のページを、電気があるうちに。
- 一般的な停電の備えも: 懐中電灯・モバイルバッテリー・予備の乾電池、飲み物や食べ物など。
台風そのものの情報は、気象庁の台風情報で確認できます。進路図に出てくる「予報円」は、台風の中心が到達すると予想される範囲を示す円で、円の中に中心が入る確率は70%とされています。円の大きさは台風の大きさではなく、進路予想の幅を表す——という読み方を知っておくと、情報を落ち着いて受け取れます。
電柱番号の調べ方 →停電情報の調べ方 — 全国の停電情報ページまとめ →電線に木の枝がかかっていたら →電柱にツタ・つる草が巻きついていたら →
停電中・停電後の注意
台風の停電でいちばん気をつけたいのは、切れた電線・垂れ下がった電線です。電気が流れたままのことがあり、触れると命に関わります。絶対に触らない・近づかない。周りの人にも危険を知らせたうえで、その電柱を管理する送配電会社へ連絡してください。
飛ばされた物が電線に引っかかっているのを見つけたときも、自分で取ろうとせず、送配電会社への連絡をお願いします。連絡するときは、近くの電柱に付いている電柱番号を伝えると、場所の特定がスムーズです。番号の見つけ方は「電柱番号の調べ方」のページにまとめています。
冠水した道路や倒木のまわりにも近づかないようにしましょう。切れた電線が水たまりや倒れた木にまぎれていて、外からは見えないことがあります。
なお、停電にともなう食品や電化製品などの損害の賠償・保険・補償については、専門の窓口の領域のため、このサイトでは扱いません。契約している保険会社などにご相談ください。また、当サイトは広告を載せていないため、防災グッズの商品紹介や比較も行いません。
切れた電線・垂れた電線(図鑑) →電柱番号の調べ方 →電線が垂れ下がっている・切れている — 触らずに、どこへ連絡する? →
よくある質問
台風で停電するのはなぜですか?
強風で飛ばされたトタンや看板などが電線にかかったり、倒木や土砂崩れで電柱や電線が被害を受けたりすることが主な原因とされています。海に近い地域では、潮風の塩分が設備に付いて起きる塩害もあります。
台風による停電は、どのくらいで復旧しますか?
被害の規模や状況によって大きく変わるため、一律には言えません。無事な区間から順に復旧が進むしくみのため、同じ町内でもタイミングに差が出ることがあります。最新の状況や見通しは、お住まいのエリアの送配電会社の停電情報ページで確認してください。
停電したら、どこに連絡・確認すればいいですか?
まず、お住まいのエリアの送配電会社の停電情報ページで停電状況を確認するのが確実です。電気事業連合会のサイトに全国の各エリアのリンク集があります。切れた電線など危険な状態を見つけたときは、その送配電会社へ連絡してください。近くの電柱の電柱番号を伝えると場所の特定がスムーズです。
一瞬だけ消えてすぐ戻ったのは、故障ですか?
故障ではないことが多いです。電気を送る側には、原因が取り除かれると自動で送電を再開するしくみがあるほか、雷などの影響で電圧がごく短い時間だけ下がる「瞬時電圧低下」という現象もあります。停電したまま戻らない場合や何度も繰り返す場合は、送配電会社の停電情報ページで確認してください。
台風が来る前にできることはありますか?
飛ばされやすい物を片づけることに加えて、電気があるうちに「いちばん近くの電柱番号を控えておく」「お住まいのエリアの停電情報ページをブックマークしておく」の2つをおすすめします。電柱番号札は地上2〜3mほどの高さに付いていることが多いようで、停電してからでは読み取りにくいためです。電線に近づいた庭木の枝やツタに気づいたときは、自分で切らず、その線を管理する会社へ連絡してください。
あわせて読みたい
参考にした公開情報
- 中部電力パワーグリッド「台風のときは(災害時の注意点)」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「停電の原因」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「復旧のしくみ・復旧の流れ」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「災害への備え(台風・水害編)」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「瞬時電圧低下について」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 九州電力送配電「瞬時電圧低下」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「その他のご注意いただきたい電気事故」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 中国電力ネットワーク「災害に備えて」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 沖縄電力FAQ「台風対策」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 電気事業連合会「各エリアの停電情報・電力需給関連情報」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 電気事業連合会「台風・水害のとき」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 気象庁「台風情報の種類と表現方法」(外部リンク・新しいタブで開きます)