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停電は英語でなんて言う? — blackout・outage・power cut

最終更新: 2026-08-01/公開情報をもとに作成しています

やあ、ぼくでんチュン。「でんチュンの世界の電柱たび」も3回目だよ。第1回は電柱の「ない」街をたずねて、第2回は木の柱の国とコンクリートの国をくらべたよね。今回はちょっと趣向を変えて——飛行機にもフェリーにも乗らない、「ことばの旅」なんだ。

テーマは「停電」。日本語ならこのひとことだけど、英語には power outage、blackout、power cut、power failure……と、いくつもの言い方があるんだ。どれも「停電」と訳せるのに、得意な場面が少しずつちがう。どれを使えばいいか、迷っちゃうよね。

そこで今回は、英語の辞書の説明と、電力会社が実際に使っている英語のページをたよりに、停電のことばをひとつずつたずねていくよ。読み終わるころには、世界のなかまに「ていでん」のことを英語で伝えられるようになっているはずだよ。

いちばんふつうの言い方は power outage

最初にたずねるのは、いちばん頼りになることば。停電を英語で言いたくなったら、まずは power outage(パワー・アウテージ)を思い出してほしいんだ。ケンブリッジの辞書では、outage はアメリカ英語のことばとして載っていて、「電気などのサービスが使えなくなっている期間」と説明されているよ。例文は「ラジオのニュースが、50軒の家に影響する power outages を伝えた」。ニュースでも使われる、きちんとした言い方なんだね。

オックスフォードの学習辞典でも、outage は「特に北米の英語」というラベル付きで、「電気などの供給が止まっている期間」と説明されていて、例として真っ先に a power outage が挙げられているんだ。out には「外」だけじゃなくて「消えて・止まって」という感覚があってね。電気がお休みしている時間を指す名詞、というイメージだよ。

実際に使われているようすも、のぞいてみよう。東京電力の英語のサイトには、その名も「Power Outage?」——「停電ですか?」というページがあるんだ。そこには「What to do if the power goes out(電気が消えたらどうするか)」という案内も載っているよ。日本の電力会社が世界の人に向けて話すときも、power outage なんだね。

会話で使うなら、The power is out.(いま停電してるんだ)、We had a power outage last night.(ゆうべ停電があったんだ)あたりが出発点。まずはこのことばをポケットに入れて、旅を続けるよ。

blackout は「大きな停電」のことば

次は、聞いたことがある人も多いはずのことば。blackout(ブラックアウト)だよ。black(真っ黒)と out を合わせたことばで、オックスフォードの学習辞典では「電力の故障の結果、明かりがなくなっている期間」と説明されているんだ。例文は「嵐が多くの地域で blackouts を引き起こした」。街から明かりが消える——そんな暗さのイメージをまとったことばなんだね。

ケンブリッジの辞書には、もうひとつの意味も載っているよ。「法律で、すべての明かりを隠さなければならなかった時期」——例に挙がっているのは wartime blackouts、戦時中の灯火管制のことだね。街ぜんたいが真っ暗になる、ということばの記憶が blackout には染みこんでいるんだ。

そしてこのことば、じつは日本の電力の世界でも使われたことがあるんだよ。資源エネルギー庁の記事によると、2018年9月の北海道胆振東部地震のあと、日本で初めてとなるエリア全域におよぶ大規模停電が起きて、これが「ブラックアウト」と呼ばれたんだ。同じ記事では、ブラックアウトとは大手電力会社の管轄する地域のすべてで停電が起こる現象(全域停電)のことを意味する、と説明されているよ。海外では、地域全域ではなくても、非常に規模の大きな停電がブラックアウトと呼ばれることがある、とも紹介されているんだ。

つまり blackout は、ただの停電というより「広く・大きく明かりが消える」場面が得意なことば。じゃあ、そういう大きな停電はどうして起きるんだろう? その話は深追いすると長い旅になるから、電柱の上で何が起きているのかは、こまりごと相談室の停電の記事でゆっくりたずねてみてね。

雷で停電するのはなぜ? — 直撃雷と誘導雷、電柱の上で起きていること

イギリスでは power cut

大西洋をわたって、イギリスへ。イギリスで「停電」というと、power cut(パワー・カット)がふつうの言い方なんだ。ケンブリッジの辞書では power cut にイギリス英語のラベルが付いていて、アメリカでは power outage にあたる、と添えられているよ。意味は「電気の供給の中断」。例文は「ゆうべの嵐で、何百軒もの家が power cuts になった」なんだ。

cut は「切る」。電気がぷつんと切られた、という感覚のことばだね。同じ停電でも、アメリカは outage(お休み)、イギリスは cut(ぷつん)——海をはさんで、ことばの選び方がちがうのがおもしろいよね。

じつはこの英米のちがい、電柱のことばにもあるんだよ。北米では電柱を telephone pole、イギリスでは telegraph pole と呼ぶことがある——という話は、図鑑の「電柱の英語」のページでしているんだ。ことばの旅が気に入ったら、そちらにも止まってみてね。

電柱の英語(図鑑)

power failure は「故障」に目を向けたことば

4つめのことばは power failure(パワー・フェイリュア)。failure は「うまく働かないこと・故障」という意味のことばだよ。ロングマンの辞書では、power failure は「電気の供給がない期間」と説明されているんだ。

おもしろいのは、さっきの blackout の説明のなかにも、このことばが顔を出していたこと。オックスフォードの学習辞典の blackout の説明は「電力の故障(an electrical power failure)の結果、明かりがなくなっている期間」だったよね。blackout が「暗くなった」という結果を見ていることばだとしたら、power failure は電気側の不調そのものに目を向けていることば、という関係なんだ。

ちなみに、「これって停電? それともうちの故障?」と迷ったときの見分けかたは、こまりごと相談室の「停電なのにブレーカーが落ちてない?」の記事で紹介しているよ。

停電なのにブレーカーが落ちてない? — 「家の外側」で起きていることの見分けかた

一瞬だけの停電は、なんて言う?

旅の途中で、こんな停電のことも思い出したんだ。バチッと一瞬だけ消えて、すぐ戻る——あれ、英語でどう伝えよう?

会話なら、The power went out for a second.(一瞬、電気が消えたんだ)で伝わるよ。「ほんの一瞬の」という意味の momentary(モーメンタリー)を添えて、a momentary power outage のように言うこともできるんだ。

ちなみに日本語には、この「一瞬だけ消えた」のための専門のことばもあってね。「瞬時電圧低下」——じつは停電とはちがう現象だったり、切れたあとに自動で送電が再開するしくみが働いていたり、裏側は意外と奥が深いんだ。くわしくは、こまりごと相談室の「一瞬だけ停電してすぐ戻るのはなぜ?」の記事でたっぷり紹介しているから、ぜひ読んでみてね。

一瞬だけ停電してすぐ戻るのはなぜ? — 瞬時電圧低下と自動再送電

計画停電は rolling blackout

あらかじめ決めた地域・時間で、順番に電気を止める「計画停電」。これにも英語の言い方があるよ。rolling blackout(ローリング・ブラックアウト)だ。rolling は「転がっていく」。停電が地域から地域へ、ころころと順番に移っていくイメージのことばなんだ。

これは、実際に使われた記録が残っているよ。2011年3月の東日本大震災のあと、東京電力は「Implementation of rolling blackout(rolling blackout の実施)」という英語の発表を出しているんだ。そのなかで rolling blackout は、planned blackout——計画された停電——が地域から地域へと交代で行われるもの、と説明されているよ。日本の計画停電は、世界に向けては rolling blackout ということばで伝えられたんだね。

「停電が復旧した」は英語で?

停電のことばを覚えたら、あわせて覚えたいのが「復旧」の言い方だよ。会話でいちばんよく届くのは、The power is back on.(電気が戻ったよ!)。back(戻って)と on(ついて)で、明かりがパッとつく感じまで伝わることばだね。

電力会社のかしこまった英語では、restore(リストア=元に戻す・回復させる)が使われるよ。さっきの東京電力の2011年の英語の発表にも、「安定した電力供給をできるだけ早く restore するために、あらゆる努力をします」という一文があるんだ。名詞の形は restoration(復旧)。停電のニュースでは、この restore の仲間が活躍するよ。

復旧が実際にどう進むのか——どうして家によって電気の戻る時間がちがうのか——は、「台風と停電」の記事でたずねているよ。それから、いまどこで停電が起きているかを調べる方法は、「停電情報の調べ方」にまとめているんだ。

台風と停電 — なぜ起きる?復旧はどう進む?停電情報の調べ方 — 全国の停電情報ページまとめ

使い分けの早見 — ことばの旅の終わりに

さあ、ことばの旅もそろそろ終点。今日出会ったことばたちを、早見にして並べておくね。

「停電」の英語つかいわけマップ。左上は power outage(いちばんふつうの言い方・特に北米、例文 We had a power outage.)、右上は power cut(イギリスの言い方・アメリカの power outage にあたる)、左下は暗い夜空のパネルで blackout(広い範囲が暗くなる大きな停電・北海道の全域停電もブラックアウトと呼ばれた)、右下は power failure(電気側の故障・不調に目を向けたことば)。下段に rolling blackout(計画停電・停電が地域から地域へ順番に移るイメージ)と、会話の定番ペア The power is out.(いま停電してる)・The power is back on.(電気が戻った)。英語の辞書と電力会社の公開資料の説明をもとにした早見図である注記付き。
「停電」の英語つかいわけ早見(英語の辞書・電力会社の公開資料の説明をもとに作成)出典: 電柱図鑑オリジナル図解(公開情報をもとに作成)
  • power outage: いちばんふつうの「停電」。特にアメリカなど北米で一般的。迷ったらまずこれ。
  • power cut: イギリスでの「停電」。アメリカの power outage にあたる言い方。
  • blackout: 広い範囲が暗くなるような大きな停電に使われることば。日本の電力の世界でも、北海道の全域停電が「ブラックアウト」と呼ばれたよ。
  • power failure: 電気側の故障・不調に目を向けた言い方。
  • rolling blackout: 計画停電。地域から地域へ順番に移っていく停電のこと。
  • The power is out. / The power is back on.: 「いま停電してる」と「電気が戻った」。会話の定番ペアだよ。

ことばはちがっても、電気が止まってこまる気持ちと、明かりが戻ってほっとする気持ちは、きっと世界共通だね。これでキミも、世界のなかまに「ていでん」のことを伝えられるよ。第1回・第2回の旅も、よかったらまた読んでみてね。次の旅先も、おたのしみに。

なぜ日本は電柱だらけ? — 世界の無電柱化くらべ世界の電柱くらべ — 木の柱の国、コンクリートの国

よくある質問

アメリカでは停電を英語で何と言う?

power outage が一般的だよ。ケンブリッジの辞書では outage はアメリカ英語のことばとして載っていて、「電気などのサービスが使えなくなっている期間」と説明されているんだ。東京電力の英語のサイトにも「Power Outage?」というページがあるよ。会話なら The power is out.(いま停電してる)が定番だね。

イギリスでは停電を何と言う?

power cut がふつうの言い方だよ。ケンブリッジの辞書では power cut にイギリス英語のラベルが付いていて、アメリカでは power outage にあたる、と添えられているんだ。意味は「電気の供給の中断」と説明されているよ。

blackout はどんな停電?

明かりが消えるイメージの強いことばで、オックスフォードの学習辞典では「電力の故障の結果、明かりがなくなっている期間」と説明されているよ。資源エネルギー庁の記事では、2018年の北海道の全域停電が日本初の「ブラックアウト」と呼ばれたこと、海外では地域全域でなくても非常に規模の大きな停電をそう呼ぶことがあることが紹介されているんだ。

「停電が復旧した」は英語で?

会話なら The power is back on.(電気が戻った)がいちばんよく伝わるよ。電力会社のかしこまった英語では restore(回復させる)が使われていて、東京電力の2011年の英語の発表にも restore stable power supply という表現があるんだ。名詞の形は restoration(復旧)だよ。

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