くらしのガイド
電柱の高さと間隔をはかってみよう — 標準の数字と、台風のあとの大雨の話
最終更新: 2026-09-03/公開情報をもとに作成しています
電柱と電柱のあいだは、何メートルあるのでしょうか。北陸電力が公開している「設備形成ルール(高低圧編)」(2018年3月1日現在の公開版)第20条では、「支持物の径間長は、40〜50mを標準とする」と定められています。電柱の高さ(柱長)は、10m・12m・14m・16mが標準とされています。ただし、全部が地上に出ているわけではありません。この記事は、その数字がどこから来ているのかと、歩いて確かめる方法をまとめたものです。
後半は、台風が過ぎたあとの話になります。気象庁の「台風に伴う雨の特性」では、台風は積乱雲が集まったもので、雨を広い範囲に長時間にわたって降らせる、と説明されています。風がやんでも雨は残ることがあり、地面が水を含んだあとに電柱まわりで起きることは、風の被害とは別の顔をしています。
先にお約束を1つだけ。垂れ下がった電線や倒れた電柱には、近づかない、触らない、まわりの大人や送配電会社に知らせる。これだけは、読みはじめる前から決めておいてください。いま雨が続いていて気になっている方は、後半の「台風のあと、雨が続くと地面で起きること」から読んでもらってかまいません。
電柱と電柱のあいだ、何メートル? — 標準は40〜50m、歩いて数えられる
電柱と電柱のあいだの距離は、径間長(けいかんちょう)と呼ばれます。北陸電力が公開している「設備形成ルール(高低圧編)」第20条では、「支持物の径間長は、40〜50mを標準とする」と定められています。
同じルールの別の条文には、電柱から家へ向かう線についての決まりもあります。第27条(高圧架空引込線の施設)では引込線支持点間の径間長を40m以下を原則とし、第29条(低圧架空引込線)では30m以下(引込用ビニル絶縁電線2.6mmで小容量負荷に供給する場合は50m以下)としています。家に入る線のほうには上限が別に決められている、と覚えておくと見分けの手がかりになります。ただしこれは1社が公開している標準であって、全国一律の数値ではありません。たとえば東京電力パワーグリッドの公開記事「電柱の活用法1」では、電柱は基本的に30メートル間隔で設置されている、と紹介されています。会社や場所によって標準が違う、というのがここでの結論です。
40mや50mは、歩いて数えることができます。大人の歩幅をおよそ70cmと置けば、40mはおよそ57歩、50mはおよそ71歩です。ただし、この歩幅70cmという数字には公的な出典がありません。歩幅には個人差があるので、あくまで目安です。自分の10歩の長さを一度測っておくと、そのぶん確かになります。
数えてみると、思ったよりばらつくことに気づきます。標準は40〜50mですが、まっすぐな道と曲がり角、家が建て込んでいるところとそうでないところで、歩数はそろいません。どういう条件で径間を決めているかを一般向けに説明した公開資料は見当たらなかったため、理由は書かず、数えて分かることだけを書きます。数えるときは歩道の内側を歩き、車道には出ないでください。
寸法そのものをカタログのように並べたページは、図鑑の「電柱の高さ・太さ・間隔」にあります。この記事が受け持つのは、その数字がどこから来ているのか、どう測るか、そして風や雨とどうつながっているかです。
電柱の高さは何メートル? — 柱長10・12・14・16m、14mの柱なら地中はおよそ2.3m
北陸電力の設備形成ルールでは、架空配電線路の支持物はコンクリート柱を原則とし、柱長は10m・12m・14m・16mを標準とする、と表で示されています。これは北陸電力のエリアの標準です。他のエリアの標準は各社が別に公開しているため、全国どこでもこの4つとは限りません。
ここで気をつけたいのは、柱長は柱そのものの長さで、全部が地上に出ているわけではないことです。電気設備の技術基準の解釈 第59条では、A種鉄筋コンクリート柱の根入れの深さが、設計荷重と柱の全長の組み合わせごとに表で決められています。設計荷重が6.87kN以下で全長15m以下の柱なら、根入れは全長の6分の1以上です。14mの柱をこの条件で見ると、地中がおよそ2.3m、地上に出ているのはおよそ11.7mという計算になります。これは6分の1ちょうどで埋めた場合の計算で、実際はこれより深いこともあります(=地上に出ている長さはおよそ11.7m以下)。ただし設計荷重がこれより大きい柱では、全長14m以上15m以下なら全長の6分の1に0.3mまたは0.5mを加えた値、全長が15mを超えると2.8m・3m・3.2mといった固定の値と、区分ごとに決められています。16mの柱は全長15mを超える別の区分に入り、設計荷重6.87kN以下なら2.5m以上、6.87kNを超え9.81kN以下なら2.8m以上と決められています。
「電柱の地上高はだいたい8m台です」といった一般向けの公表値は、この記事を書くにあたって確認できませんでした。ですからこの記事では、地上高は柱長からの逆算としてしか書きません。
高さの手がかりは、もう一つあります。東京電力パワーグリッドの「有線電気通信設備等電線施設共架技術基準」の第9条では、共架柱に他社が電線を架ける位置を地上高6.4mまたは6.7mの腕金と定めています。同じ資料の第8条は、共架柱に付けるものの順序を上からおおむね、東京電力パワーグリッドの高圧線・低圧線・変圧器装置(高圧線や低圧線の上に来る場合もあります)・電力保安通信線、そのあとに他社の共架電線、いちばん下にNTTの通信線と決めています。つまり他社の共架電線はこの6.4mまたは6.7mの腕金の位置に、NTTの通信線はさらにその下に並ぶことになります。これは東京電力パワーグリッドがエリア内の共架柱について定めている値なので、他のエリアでは違うことがあります。
地中のおよそ2.3mがどうやって柱を支えているのか、根かせや支線がなぜ必要なのかは、「電柱はなぜ倒れない?」でくわしく扱っています。この記事では深追いしません。
法令が決めているのは「上限」と「耐えること」 — 何メートル間隔とは書いていない
電気設備に関する技術基準を定める省令 第32条は、支持物について「十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重」(10分間平均で風速40m/s)などを考慮し、「倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない」と定めています。人家が多く連なっている場所については、同条のただし書きが、その施設場所を考慮して施設する場合は「十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重の二分の一の風圧荷重を考慮して施設することができる」としています。その2分の1を「丙種風圧荷重」と名づけ、高圧・低圧架空電線路のどの設備に適用できるかを細かく決めているのが、電気設備の技術基準の解釈 第58条です。
読み返すと、この省令第32条と解釈第58条には「何メートル間隔で建てること」という決まりはありません。ここで決められているのは、耐えるための条件です。ただし、間隔にまったく決まりがないわけではありません。電気設備の技術基準の解釈 第63条(架空電線路の径間の制限)は、高圧の架空電線路について、木柱・A種鉄筋コンクリート柱・A種鉄柱を使う場合の径間を150m以下(長径間工事の箇所では300m以下)と定めています。上限が決まっていて、その内側で送配電会社が自社の標準(40〜50mなど)を決め、それが設備形成ルールとして公開されている、という順番になります。連鎖的な倒壊を防ぐ決まりや、風速40m/s(10分間平均)という設計の中身は、「電柱はなぜ倒れない?」にまとめてあります。
背が高いほど、間隔が長いほど、風の力は大きくなる
では、どういうときに柱は強い風を受けるのでしょうか。日本風工学会誌の「配電設備における強風災害低減への取り組み」には、「架空配電線支持物の設計では、主として風荷重を対象としており」とあり、その計算に使う記号が並べられています。
記号の説明を見ると、A種柱(複合鉄筋コンクリート柱をのぞく)を選ぶときの式として、「H:支持物地上高(m)」「S:前後径間長の平均値(m)」「d:架渉線外径(m)」「h:架渉線設置地上高(m)」といったものが入っています。柱がどれだけ地上に出ているか、前後の電柱までどれだけ離れているかが、計算に直接効いてくるということです。
理由は単純で、風は面を押すからです。柱が高いほど風を受ける面は広くなり、電柱どうしの間隔が長いほど、1本の柱があずかる電線の長さは伸びます。だから背の高い柱、間隔の長い区間ほど、受ける風の力は大きくなります。風がどちらから吹くかで、柱が押される向きも変わります。柱がその力をどう受け止めているかは、「電柱はなぜ倒れない?」にまとめてあります。
「では高い柱は弱いのか」というと、そう単純でもありません。同じ論文は、復旧の長期化が心配される山岳部の樹木倒壊被害への対策として「配電線の地中化、長丈尺電柱化(柱を長くすること)、伐採工事における伐採幅の増加など」を挙げています。柱を長くする方向の対策も並んでいる、ということです(その理由まではこの資料には書かれていません)。強風そのものへの対応としては、同じ論文は「風速マップを作成し、支線や支持物本体の強化を行った」と書いています。
2020年に変わったこと — 「島や岬」は鉄塔の話、「16基・5基」は支線の話
2020年(令和2年)5月13日に、省令と電気設備の技術基準の解釈が改正され、解釈第58条に第4項が新設されました(第4項は同年8月12日の改正で修正されています)。いまの第4項は「鉄塔にあっては、第一項に規定する甲種風圧荷重と、地域別基本風速における風圧荷重を比べて、大きい方の荷重を考慮すること」と定めています。
この第4項には、特殊地形箇所として「半島の岬、小さな島等、海を渡る風が吹き抜ける箇所」が挙げられています。『解説 電気設備の技術基準 第18版』の追補冊子では「令和元年台風15号による鉄塔倒壊事故の検証により地域の実状を踏まえた基準風速を導入することとし、『地域別基本風速』を適用することとした」と説明されています。
ここが混同されやすいところです。解釈第58条の第4項は鉄塔、同じ年の8月12日の改正で加わった第5項は鉄柱を対象として書かれています。街なかで見かける鉄筋コンクリート柱についての規定ではないため、この改正から「島の電柱は設計風速が高い」と読むことはできません。
もう一つ、2020年の一連の改正で解釈第70条第3項も新設されました。低圧または高圧の架空電線路で直線路が続き、連鎖的に倒壊するおそれがある場合の決まりです。必要に応じて「16基以下ごとに、支線を電線路に平行な方向にその両側に設け、また、5基以下ごとに支線を電線路と直角の方向にその両側に設ける」とされています(ただし、技術上困難なときはこの限りでない、というただし書きが付いています)。追補冊子では、事業者によりばらつきがあったため「最も安全側にとっている間隔をとることとする」と説明されています。
この16基・5基は、支線を入れる電柱の本数の区切りであって、電柱と電柱の間隔(径間長)のことではありません。数字が並ぶと混ざりやすいので、切り分けておいてください。
沖縄の電柱は何が違う? — 公表されている台風対策と、旅先で見るときのコツ
沖縄と電柱というと、無電柱化の話題を目にすることが多いかもしれません。地中に埋めることのつよみとよわみは、「無電柱化は災害に強い?弱い?」でまとめています。この記事で見るのは、地上に立っているほうの電柱です。
台風の多い沖縄では電柱の建て方も違うのでは、と気になるところですが、柱を低くする・間隔を狭くするといった説明を、公的機関や送配電会社の公開資料に見つけることはできませんでした。沖縄タイムスの記事は、本土と沖縄で電柱の設計基準は変わらないと伝えています。同紙の取材に対して沖縄電力の担当者は「経済産業省の基準に合わせて、平均風速40メートル(40m/s)に耐えられるように設計しています」と説明しています。沖縄電力自身の公開ページでこの点を明記したものは確認できませんでした。省令第32条は風圧荷重の考慮を全国共通で求めており、沖縄だけの上乗せを定めた条文は、この記事を書くにあたっては確認できませんでした。
よく引き合いに出される数字にも注意が要ります。日本コンクリート工業のページには、沖縄県では風速46m/sもの強風に耐えられるように設計することが定められている、という記述があります。ただし同じページの注記には「照明、ネット、アンテナ等の用途で建築基準法に従う場合。配電線路用、通信線路用は別途の定めによる」とあります。配電の電柱の話ではありません。
旅行先で、電柱が違って見えることがあります。とはいえ、高さや間隔のちがいを目で測ろうとするより、柱に付いているものを数えるほうが確かです。支線が何本あるか、支柱が添えられているか、電線がどう見えるか。写真に残しておけば、家の近くの電柱と見比べられます。
では、沖縄で公表されているのはどんな対策なのでしょうか。沖縄電力の「災害に強い設備形成」というページは「強風に対する対策」と「樹木被害対策」の2つに分かれていて、それぞれ次のような内容が挙げられています。
- 【強風に対する対策】直線線路については、連続倒壊を防ぐため数本に1本の割合で、風に強い強化柱へ建て替えている
- 【強風に対する対策】補助柱および支線・支柱を設置して、支持物の強化を図っている
- 【強風に対する対策】表面に溝を設けることで風圧荷重を減らす「低風圧電線」を採用している
- 【樹木被害対策】定期的な樹木の伐採が難しい地域には、樹木接触に強い「耐摩耗電線」を採用している
- 【樹木被害対策】北部地域などで山間部に建っている支持物を、道路敷きへ移設する工事を行っている
いずれも沖縄電力が公表している内容です。地域の事情は会社ごとに違うため、この記事では各社の対策を比べたり、良し悪しを評価したりはしません。
台風のあと、雨が続くと地面で起きること
台風が過ぎても、雨はすぐには終わらないことがあります。気象庁の「台風に伴う雨の特性」では、「日本付近に前線が停滞していると、台風から流れ込む暖かく湿った空気が前線の活動を活発化させ、大雨となることがあります」と説明されています。台風自身の雨のほかに、前線の活動が活発になって降る雨もある、というわけです。
降った雨がどれくらい地面にたまっているかは、公的な指標で表せます。気象庁の「土砂キキクル」では、土壌雨量指数が、降った雨が土壌中にどれだけ溜まっているかをタンクモデルという手法で数値化した指標だと説明されています。内閣府の広報誌「ぼうさい」第79号では、土砂災害は「地中にたくさんの雨が貯まったところに強い雨が降ると発生しやすくなる」という特徴がある、とされています。
地面の中で何が起きているかは、国土交通省の砂防のページに書かれています。がけ崩れは「地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、雨や地震などの影響によって急激に斜面が崩れ落ちること」とされています。気象庁の「大雨の影響」でも、雨により山やがけが崩れたり土石流が発生したりすること、河川が増水したり堤防が決壊したりして浸水や洪水が起こることが挙げられています。
ここまで来ると、電柱の話につながります。関西電力送配電の子ども向けページ「おくりんの電気教室」には、「大雨の影響で発生した土砂くずれや樹木が倒れたことによって、電柱がたおれて電線が切れたりすると、停電が発生することもあります」とあります。中部電力パワーグリッドの「停電復旧のしくみと停電理由」でも、大雨の影響で発生した土砂崩れによって電柱が倒れ、電線が切れると停電が発生する、と案内されています。どちらの説明も、飛ばされたトタンなどの飛来物とあわせて、崩れた斜面や倒れた木が設備に当たることを停電のきっかけとして挙げています。雨のあとに効いてくるのは、このうち後者です。
風がやんだあとに出てくる被害もあります。中部電力パワーグリッドの「台風のときは」には「台風が過ぎ去っても」という節があり、海に近い地域では塩分ががいしに付着することで火花が発生することがあり、この現象は「大雨や台風通過後によくみられます」と案内されています。塩がどう電気の通り道になるかは、「電線や電柱から火花が出ている」と「9月はなぜ防災月間?」にまとめてあります。
復旧に時間がかかる理由も公表されています。中部電力パワーグリッドは、原因のエリアを絞り込んだうえで「最終的には電柱を1本1本巡視して原因を特定」すると説明しています。復旧の順番と「うちだけ遅い」理由は「停電の復旧時間はどれくらい?」にまとめてあります。なお、賠償や保険、費用の負担は専門の窓口の領域のため、このサイトでは扱いません。
台風と停電 — なぜ起きる?復旧はどう進む? →停電の復旧時間はどれくらい? — 復旧の順番と「うちだけ遅い」理由 →電線や電柱から火花が出ている →9月はなぜ防災月間? →電柱が傾いている?と思ったら — 連絡先と知っておきたいこと →
観察のお約束 — 近づかない・触らない・知らせる
最後に、観察に出る前のお約束です。切れた電線や垂れ下がった電線には、近づかない、触らない、まわりの大人と送配電会社に知らせる。中部近畿産業保安監督部近畿支部は「災害時には、切れた電線が垂れ下がっていたり、電柱が倒壊している場合があります。感電する恐れがありますので、絶対に近づかないでください」と呼びかけています。電線に木の枝がかかっていても、自分では切らないでください。四国電力送配電のFAQは、電線への樹木の接触は保安上問題がある場合に会社が伐採するとしたうえで、最寄りの事業場へ連絡するよう案内しています。お住まいのエリアの送配電会社の窓口へ連絡してください。
火や煙が出ている、人が倒れている、切れた線が道路をふさいで通行が危ない、といった場面では連絡先が変わります。全国の窓口の一覧と、消防・警察の使い分けは「電線が垂れ下がっている・切れている」にまとめてあるので、そちらを見てください。この記事で書けるのはここまでです。まずは離れて、まわりの大人と、線を管理する送配電会社へ知らせてください。電話番号は変わることがあるため、このページには載せていません。
場所を伝えるとき、安全な範囲から電柱の番号札が見えれば、それが目印になります。ただし「電柱番号を伝えましょう」と明記した送配電会社の公式ページは、この記事を書くにあたっては見当たりませんでした。断定はせず、見えたら控える程度に考えてください。なお、浸水した家電や屋内の配線については、中部近畿産業保安監督部近畿支部が「必ず電気工事店に連絡し、点検を受けてください」と呼びかけていることを紹介するにとどめ、このサイトでは手順を書きません。
観察の宿題です。雨があがってしばらくして、道や斜面が落ち着いてから、歩道の内側で歩数をもう一度数えてみてください。崩れた斜面や水たまり、垂れた線のある場所には近づかないでください。季節ごとの見どころは「電柱観察ごよみ」にまとめてあります。
切れた電線・垂れた電線(図鑑) →電線が垂れ下がっている・切れている — 触らずに、どこへ連絡する? →電柱観察ごよみ →
よくある質問
一般的な電柱の間隔は何メートルですか?
北陸電力の「設備形成ルール(高低圧編)」では、支持物の径間長は40〜50mを標準とする、と公開されています。電柱から家へ引き込む線は、同じルールの第27条で高圧の引込みが支持点どうし40m以下を原則、第29条で低圧の引込みが30m以下(一部の小容量向けは50m以下)と書かれています。1社が公開している標準であって、全国一律の数値ではありません。歩幅をおよそ70cmと置けば、40mはおよそ57歩、50mはおよそ71歩です。歩幅には個人差があり、70cmという値に公的な出典はありません。自分の10歩の長さを一度測っておくと確かになります。
電柱の高さは何メートルですか? 地面の下はどのくらい埋まっていますか?
電気設備の技術基準の解釈 第59条では、A種鉄筋コンクリート柱の根入れの深さが、設計荷重と柱の全長ごとに表で決められています。設計荷重が6.87kN以下で全長15m以下の柱なら、根入れは全長の6分の1以上です。北陸電力の設備形成ルールでは、コンクリート柱の柱長は10m・12m・14m・16mを標準としています。14mの柱をこの条件で見ると、地中がおよそ2.3m、残りのおよそ11.7mが地上に出ている計算になります。設計荷重が大きい柱では、全長14m以上15m以下なら6分の1に0.3mまたは0.5mを加えた値、全長が15mを超えると2.8m・3m・3.2mといった固定の値と、区分ごとに決められています。この記事では、地上高は柱長からの逆算として扱っています。
電柱の高さや間隔に、法律の決まりはありますか?
「何メートル間隔で建てること」という決まりはありませんが、上限はあります。電気設備の技術基準の解釈 第63条(架空電線路の径間の制限)は、高圧の架空電線路で木柱・A種鉄筋コンクリート柱・A種鉄柱を使う場合の径間を150m以下(長径間工事の箇所では300m以下)としています。柱そのものについても、同じ解釈の第59条が根入れの深さを設計荷重と全長ごとに表で決めています。一方、電気設備に関する技術基準を定める省令 第32条が定めているのは寸法ではなく、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重などを考慮して倒壊のおそれがないようにすること、という条件です。人家が多く連なっている場所では、そのただし書きで2分の1の風圧荷重を考慮して施設できるとされ、解釈 第58条がこれを「丙種風圧荷重」として細かく決めています。
沖縄など台風の多い地域では、電柱にどんな台風対策がされているのですか?
沖縄電力は「災害に強い設備形成」で、強風に対する対策として、直線線路で数本に1本の割合で風に強い強化柱へ建て替えること、補助柱や支線・支柱を設置すること、表面に溝を設けて風圧荷重を減らす低風圧電線を採用することを公表しています。樹木被害対策としては、樹木接触に強い耐摩耗電線の採用や、山間部の支持物を道路敷きへ移設する工事も挙げられています。なお、柱を低くする・間隔を狭くするといった説明は、公的機関や送配電会社の公開資料では確認できませんでした。
電柱の間隔は地域によって違いますか?
この記事で確認できたのは、北陸電力の「設備形成ルール(高低圧編)」が径間長40〜50mを標準としていることだけです。各社の標準値を横並びで比べたり、地域ごとに間隔を変えていると書いたりした公開資料は確認できませんでした。歩いて数えると、同じ町の中でもばらつきます。
大雨で停電する原因は何ですか?
関西電力送配電の子ども向けページでは、大雨の影響で発生した土砂くずれや樹木が倒れたことによって電柱がたおれて電線が切れる、と説明されています。国土交通省は、地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱めると案内しています。公表されている説明では、飛来物とならんで、崩れた斜面や倒れた木が設備に当たることが停電のきっかけとして挙げられています。雨が続いたあとに増えるのは後者のほうです。
あわせて読みたい
参考にした公開情報
- 北陸電力「設備形成ルール(高低圧編)」(平成30年3月1日現在)第20条(支持物の施設)・第27条・第29条(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東京電力パワーグリッド「電柱の活用法1」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 石川智巳ほか「配電設備における強風災害低減への取り組み」日本風工学会誌 2008巻114号(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東京電力パワーグリッド「有線電気通信設備等電線施設共架技術基準」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- e-Gov 法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」第32条(支持物の倒壊の防止)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和6年10月22日改正)第58条・第59条・第63条・第70条(PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 『解説 電気設備の技術基準 第18版』令和2年5月13日省令・解釈改正 追補冊子(解釈第58条・第70条の改正解説)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 沖縄電力「災害に強い設備形成」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 沖縄タイムス「なぜ電柱が倒れにくい? 沖縄の台風対策」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 日本コンクリート工業「電柱って大丈夫なのかなぁ?」(人を想うラボ)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 気象庁「台風に伴う雨の特性」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 気象庁「土砂キキクル」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 気象庁「大雨の影響」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 内閣府 広報誌「ぼうさい」第79号 特集2「土砂災害に備える」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 国土交通省「砂防:がけ崩れとその対策」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「停電の原因・復旧方法」(おくりんの電気教室)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 中部電力パワーグリッド「停電復旧のしくみと停電理由」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 中部電力パワーグリッド「台風のときは」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 中部近畿産業保安監督部近畿支部「断線した電線等による感電防止について」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 四国電力送配電 FAQ「電線に樹木が接触しています(接触しそうになっています)。大丈夫でしょうか?」(外部リンク・新しいタブで開きます)