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電柱が傾いている?と思ったら — 連絡先と知っておきたいこと
最終更新: 2026-07-25/公開情報をもとに作成しています
散歩の途中でふと見上げた電柱が、なんだか斜めに見える。窓の外の電柱が、前より傾いてきた気がする——。一度気になりだすと、「このままで大丈夫? どこかに知らせたほうがいい?」と落ち着かないものです。
結論から言うと、電柱の傾きが気になったら、自分で確かめたり直したりしようとせず、その電柱を管理する会社へ連絡して見てもらうのが基本です。電柱や支線にはさわらず、近づきすぎないこと。傾きが問題かどうかは、見た目だけでは判断できないからです。
このページでは、「傾いて見える」には2つのケースがあること、気にしたいサイン、どの柱かを伝えるための電柱番号札の見方、全国10エリアの送配電会社とNTTの窓口のかたちを、公開情報をもとに整理します。
「傾いてる…?」には2種類ある
電柱が傾いて見えるとき、その中身は大きく2つに分かれます。ひとつは、設計上そう見えるケース。電柱は電線に引っぱられながら、力のつり合いのなかで立っているので、場所によっては最初からまっすぐには見えないことがあります。もうひとつは、地盤や風、車の接触などで、柱が実際に動いてしまっているケースです。
やっかいなのは、この2つを見た目だけで区別するのが難しいことです。だからこそ、この記事の結論は最初からひとつ。「気になったら、さわらずに、管理する会社へ連絡して見てもらう」です。そのうえで、どんなしくみで傾いて見えるのか、どんなサインに気をつけたいのか、順番に見ていきましょう。
設計上そう見えるケース — 支線とつり合っている柱
まずは、構造のお話から。電柱から地面へ斜めに張られたワイヤー「支線」を見たことはありませんか。NTT技術ジャーナルの技術解説では、支線は、電柱に偏った張力(不平均張力)が加わる場合に、ケーブルなどとの張力のバランスを取り、電柱の倒壊や傾斜を防ぐために設置するワイヤだと説明されています。電線の列の端や曲がり角の柱は、片側だけに強く引っぱられるため、支線が反対側から引っぱり返して、つり合いを保っているのです。
こうした柱は、電線と支線の引っぱり合いのなかで立っているため、見る角度や場所によっては、垂直ではないように見えることがあります。「傾いてる?」と思って近づいてみたら、支線付きの、列の端の柱だった——というのは、電柱観察ではよくある場面です。
ただし、「支線が付いているから大丈夫」「端の柱だからこの傾きは正常」と自分で判断するのは禁物です。設計上そう見えるケースがあるというだけで、その柱が問題ないかどうかは別の話。次に挙げるようなサインがあるときや、傾きが進んでいる気がするときは、迷わず連絡してください。
気にしたいサイン
では、どんなときに連絡したほうがいいのでしょうか。参考になるのが、送配電会社が連絡してほしいと挙げている事象です。北海道電力ネットワークのお問い合わせ案内では、電柱の傾斜・折損・ひび割れ、電線の垂れ下がりや切断、支線の切断やゆるみなどが、連絡対象の例として挙げられています。東北電力ネットワークのFAQにも「電柱が折れて傾いている」という項目があり、感電のおそれがあり大変危険なので絶対に近づいたり触れたりせず、連絡してほしいと案内されています。
つまり、柱そのもののひびや折れ、電線のいつもと違う垂れ下がり、支線の切れ・ゆるみといった様子が傾きと一緒に見えるときは、連絡のサインです。また、「先週より傾きが進んでいる気がする」「車がぶつかったように柱が傷ついている」など、変化に気づいたときも、そのまま様子見にせず知らせておくと安心です。
ここで大事なのは、これらのサインがあっても「危険だ」と自分で決めつけて近づいたり、逆に「たいしたことない」と放っておいたりしないこと。判断は、設備を管理する会社が現地で確認して行います。私たちにできるのは、離れた場所から気づいたことを伝えるところまでです。
どの柱かを特定 — 番号札を見る
連絡するときに役立つのが、電柱に付いている「電柱番号札」です。番号札には、その設備を管理する会社の名前と、柱を特定するための番号が書かれています。東京電力パワーグリッドが公開している設備の異常を見つけた場合のお願いでも、異常箇所には近づかず、安全上可能な範囲で最寄りの電柱表示札を確認してほしい——目的は場所の把握——と案内されています。番号を伝えれば、住所があいまいでも場所が正確に伝わるのです。
番号札は、連絡先の見分けにも使えます。電柱には、電力会社が管理する「電力柱」、NTTなど通信会社が管理する「電信柱」、両方の設備が乗る「共用柱」があり、共用柱では1本に2枚の札が付いていることもあります。札の会社名を見れば、どこに連絡すればよいかの見当が付きます。ただし、無理に読み取る必要はありません。分からなければ「近くの目印」と合わせて伝えれば大丈夫です。
流れをまとめると、①近づきすぎない場所から様子を確認する、②安全な範囲で電柱番号札をメモする(写真も役立ちます)、③番号札の会社(分からなければエリアの送配電会社)へ連絡する、の3ステップです。番号札の探し方と読み方は、別の記事でくわしく紹介しています。
どこに連絡する? — 全国の送配電会社まとめ
電力会社の電柱(電力柱・共用柱の電力設備)の傾きや損傷の連絡先は、その設備を管理するエリアの送配電会社です。ふだん電気料金を払っている小売の電力会社ではなく、エリアごとの送配電会社(例: 東京電力パワーグリッド)が電柱や電線を管理しています。2026年7月時点の公開情報では、各社の案内は次のとおりです。
- 北海道電力ネットワーク(北海道): 「電線・電柱・メーター等の設備」のお問い合わせ案内で、電柱の傾斜・折損・ひび割れや電線の垂れ下がりなどを連絡対象の例として挙げています。
- 東北電力ネットワーク(東北6県・新潟): よくあるお問い合わせ(FAQ)に「電柱が折れて傾いている」の項目があり、絶対に近づいたり触れたりせず、連絡してほしいと案内されています。
- 東京電力パワーグリッド(関東など): お問い合わせページで、停電・電柱・電線など設備に関する連絡を受け付けることが明記されており、LINEやWebチャットの窓口が案内されています。
- 中部電力パワーグリッド(中部など): 公式のお問い合わせメニューで、電線が切れている、電柱・電線に樹木や飛来物が接触しているといった停電・設備に関する問い合わせが、チャットで受け付けられています。
- 北陸電力送配電(北陸): お問い合わせページで、停電・電気の設備に関する緊急の用件は24時間受け付けると案内されています。
- 関西電力送配電(関西): お問い合わせ窓口のページで、電線・電柱など電気設備に関する問い合わせの窓口(チャットなど)が案内されています。
- 中国電力ネットワーク(中国地方): 「災害に備えて」のページで、電線に物が触れているときや電柱が傾いているのを見つけたときは、すぐに連絡してほしいと明記されています。
- 四国電力送配電(四国): 「停電・電柱・電線等に関するお問い合わせ」のWebフォームがあり、停電や電柱・電線についての問い合わせを受け付けています。
- 九州電力送配電(九州): よくあるご質問・お問い合わせのページで、電気設備の故障など急ぎの用件は最寄りの配電事業所へ、と案内されています。
- 沖縄電力(沖縄): 「災害にそなえて」のページで、切れた電線や倒れた電柱を見つけても絶対に触れず、連絡してほしいと案内されています。
電話番号は変わることがあるため、このページには載せていません。最新の窓口は各社の公式ページ(記事末尾の参考情報)から確認してください。連絡するときは、近くの電柱番号を伝えると、場所の特定がスムーズになります。
電話線・通信線の柱だったら(NTT)
傾いている柱が、電力会社ではなくNTTなど通信会社の電信柱のこともあります。番号札にNTTの名前がある柱や、変圧器のような機器が乗っていない柱は、通信用の可能性があります。NTT東日本は、電話線の垂れ下がりなどを見つけたら連絡してほしいと呼びかけていて、Webの報告受付が案内されています。
NTT西日本も、電気通信設備の損傷や垂れ下がりなどを見つけたときの連絡先として「不安全設備WEB受付」を案内しています。NTT以外の通信線(ケーブルテレビの線など)は、契約先の回線事業者の案内で窓口を確認してください。
電力の柱か通信の柱か、見分けに自信がなくても心配はいりません。連絡した先が管理会社と違っていても、状況を伝えれば適切な窓口につながっていきます。迷って連絡しないままにするより、分かる範囲で伝えるほうがずっと役に立ちます。
危険を感じたら — 近づかない・さわらない
今にも倒れそうなほど大きく傾いている、柱が折れて電線がたるんでいる、電線が切れて垂れ下がっている——。そんな場面に出会ったら、番号札の確認よりも先に、まず離れてください。切れたり垂れたりした電線には電気が流れていることがあり、近づくだけでも危険です。東北電力ネットワークのFAQでも、折れて傾いた電柱には感電のおそれがあるため、絶対に近づいたり触れたりしないよう呼びかけられています。
そのうえで、安全な場所から管理する会社へ連絡を。停電や設備の緊急の用件は24時間受け付けると案内している会社もあります。周りに人がいれば、近づかないよう声をかけ合ってください。垂れ下がった電線の危険については、図鑑のページでもくわしく説明しています。
なぜ傾くのか — 観察目線のまとめ
最後に、そもそもなぜ電柱が傾くことがあるのかを、観察目線で整理しておきます。電柱は法令で強さの基準が決められていて、「電気設備に関する技術基準を定める省令」では、電柱などの支持物は、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重などを考慮し、倒壊のおそれがないよう安全なものでなければならないと定められています。つまり、台風なみの強風をはじめから想定して、計算のうえで建てられているのです。
それでも、想定を超える力がかかれば、柱は動くことがあります。大きな台風や強風、やわらかい地盤の変化、車がぶつかる事故、そして長い年月による設備の変化。傾きは、そうした力の積み重ねが目に見えるかたちで現れたものと言えます。だからこそ、気づいた人からの連絡が、設備を管理する会社にとっても助けになるのです。
なお、電柱が傾いたり倒れたりした場合の賠償や保険、修理費用のお話、工事業者の選び方は、このサイトでは扱いません。まずは管理する会社への連絡から始めて、個別のケースはその会社の案内で確認してください。電柱が1本で立っていられるしくみや、台風のときに停電が起きる流れは、別の記事でくわしくまとめています。
よくある質問
電柱が傾いているのはなぜですか?
大きく2つの可能性があります。ひとつは、設計上そう見えるケース。電線の列の端や曲がり角の柱は、電線に引っぱられる力と支線が引っぱり返す力のつり合いのなかで立っているため、垂直ではないように見えることがあります。もうひとつは、強風や地盤の変化、車の接触などで柱が実際に動いてしまっているケースです。どちらなのかは見た目だけでは判断できないので、気になったら管理する会社へ連絡して見てもらってください。
電柱の傾きに許容範囲や基準はありますか?
「何度までなら大丈夫」といった、一般向けに公開された一律の数値基準は見当たりませんでした。法令では、電柱などの支持物について、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重などを考慮して倒壊のおそれがないように施設するという、設計段階の強度の基準が定められています。実際の柱の傾きが問題かどうかは、設備を管理する会社が確認して判断するものなので、自分で測ったり近づいたりせず、連絡して見てもらうのが確実です。
傾いた電柱は、どこに連絡すればいいですか?
電力会社の柱(電力柱)なら、その設備を管理するエリアの送配電会社(東京電力パワーグリッド、関西電力送配電など)へ連絡してください。電話や光ファイバーなど通信用の柱(電信柱)なら、NTT東日本・NTT西日本など通信会社の窓口です。電柱に付いている番号札の会社名が手がかりになり、電柱番号を伝えると場所の特定がスムーズです。見分けが難しければ、分かる範囲で伝えれば大丈夫です。
連絡したら、すぐに直してもらえますか?
連絡した内容をもとに、管理する会社が現地を確認したうえで、対応が必要かどうか、いつ対応するかを判断する流れになります。緊急性が高いと判断されればすぐに対応されることもありますが、時期は状況によって変わります。今にも倒れそう、電線が垂れ下がっているなど危険を感じる状態のときは、その様子も具体的に伝えてください。
あわせて読みたい
参考にした公開情報
- 北海道電力ネットワーク「電線・電柱・メーター等の設備(お問い合わせ)」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東北電力FAQ「電柱が折れて傾いている」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東京電力パワーグリッド「お問い合わせ(電気のトラブル)」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 東京電力パワーグリッド「設備の異常を発見した場合のお願いについて」(前橋市サイト掲載)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 中部電力パワーグリッド「お問い合わせメニュー」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 北陸電力送配電「お問い合わせ」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 関西電力送配電「お問い合わせ窓口」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 中国電力ネットワーク「災害に備えて」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 四国電力送配電「停電・電柱・電線等に関するお問い合わせ」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 九州電力送配電「よくあるご質問・お問い合わせ」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 沖縄電力「災害にそなえて」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- NTT東日本「電話線の垂れ下がり等を発見された場合には、NTT東日本へご連絡ください」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- NTT西日本「電気通信設備保護のための樹木伐採・せん定に関するご協力のお願い」(外部リンク・新しいタブで開きます)
- NTT技術ジャーナル 2007年8月号「技術基礎講座【架空構造物設計技術】第1回」(PDF)(外部リンク・新しいタブで開きます)
- 電気設備に関する技術基準を定める省令 第32条(支持物の倒壊の防止)(e-Gov法令検索)(外部リンク・新しいタブで開きます)